スリランカでは来週水曜日から週末まで連休になります。べサックの時期です。仏教徒にとっては非常に重要な祝日です。私の職場でも社員有志で仏教の僧をよんで話を聞くというので、少しばかり寄付を行いました。さらにせっかくだから我が家の仏陀像(スリランカの風景参照)を職場に運んで説教に場に設えました。
こういうのは個人の話なのでいいのですが、政府を始め、コロンボの大企業が、大々的にベッサクを飾り付ける装飾を施そうとしているのです。我がSLT(テレコム)も同様で去年とは比べものにならないような金を使っています。今日その予算でもめてきたのですが・・・。
飾り付けというのは、何千という電球を使った「ライトアップ」とか旗などを目一杯吊るしたりするのです。ビルの壁面や道の中央分離帯に設けられます。設備調達に加えて、電力消費量は大変なものだと思います。昨年は電力不足の中でよくやったなという感じでしたが、今年は停戦継続中なのでさらに盛大のようです。
でも、昨日も書いたように反政府組織はスリランカ政府の思いやりのなさに業を煮やして和平交渉から去ったのです。平和を謳歌するコロンボとは対照的に、北部・東部地域では電力はおろか、水・食料の不足に苦しむ人たちがいるのです。コロンボの裕福な人達はそれがわからないのかしら。実際ひとつの国の中でこんな格差があってはとてもまとまりません。大きな力の結集はできません。
さらに残念なことは、たしなめるべき仏教僧・寺院が政府と歩調をともにしている点です。「仏陀の教えはそういうことだったですか?」と大きな疑問を持ちます。はっきりいうと「そんな金があったら、北部・東部の困っている人に寄付せよ」です。外国に平和をアピールしたい・観光客を呼ぶためにイベントをしたいのはわかりますが、すぐ近くに仕事がなく食料がなくて苦労している人がいて、実はその人達と長く争っていたところを仲直りしようとしている時期に、その人達へ配慮せず、自分達だけが浪費をするのは罪悪というものです。
仏教徒のお祭りである「ベサック」が民族対立を助長するようなことがあったら大変です。社会の成熟度ばかりでなく、スリランカの仏教そのものに疑問を持ち始めています。
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