KENの日記
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2003年04月07日(月) 楽器の音色

私はチェロを始める前に随分長くクラリネットを吹いていました。そのときも今と同じ悩みを持っていました。それは楽器の音色の関する悩みです。頭の中にある音色がどうしても出せな(かった)いのです。


当時も今も色々考えています。私が考えるに、音色を決定する大きな要因は以下のようになります。


1.楽器を演奏する基本的なテクニック。(管楽器でいうと呼吸法・口の周りの形であり、弦楽器では、構え方・ボーイングです)リラックスして演奏出来ることも一つのテクニックです。


2.楽器そのものがいい音色が出るのかどうか。(管楽器でも最近はいい音色が出やすい設計のものがあるようですし、弦楽器はそれこそ、値段の幅は非常に大きいです。初心者に相応しい(弾きやすい)かどうかは別にして)


3.自分の頭の中の「音」が適切かどうか。生の演奏会を聞くチャンスが少ないときはレコード・CDでしか音楽は聴けません。良い先生について、よい音を出来るだけ多く聞くことが出来れば最高です。


4.(3と関連して)その音は音楽ホールで聞く「音」なのか、日本の狭い畳の部屋で聞く音なのか。音楽ホールで聞く音と自分の部屋で聞く音は違います。日本の住宅事情を考えると、この問題は深刻です。


5.練習方法は適切かどうか。良い音を得るには相当根気強い練習が必要でしょう。


6.(最後に)音楽の「音」はそれ自体目的ではなく手段であることを考えることが必要。つまり、目的とする「音楽」をキチンと頭にもっていないと「音」に対する本当の欲求が出てこないのです。


こう考えてみると、一定レベルの「音」を得ることは相当大変です。お金がかかります。時間がかかります。若いころは、上記の6をそれほど重要とは思っていませんでした。それが最大の問題であったのかも知れません。今つくづく感じることは上記6の重要性です。


ところで、こう考えてみると、ピアノの「音」を作り出すことは弦楽器・管楽器以上に難しいのだなと思います。コロンボのチェロの先生は「チェロは人間の身体にすっぽり収まる形なので、身体の一部になる感覚が得やすく、比較的「音」は作り易いのです」といってます。ピアノはからだの一部になりませんから大変だと思います。




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