先ほどまで、こちらの「TV5」というフランス語のテレビチャネルでプッチーニのオペラ「トスカ」の映画版を放映していました。これって確か日本でも昨年封切られて結構評判になっている映画のはずです。トスカの中の有名なアリア何曲かは知っているものの全編通して見る(聞く)のは初めてです。内容にはあまり関係ないですが少し感想を記録しておきます。
この映画が流行る背景は、やはり「アラーニャとゲオルギュー」という美男・美女のカップルの登場がキーポイントだと思います。映画でしかできないゲオルギューのアップシーンがひとつの見せ場であることは確かで女優さんとしてもとても綺麗です。ゲオルギューを見るのは久しぶりですが、これまで気になっていた彼女の中途半端な「目線」が直されていて安心してみることができました。声が少し硬いのですが全体としては見栄えのするソプラノです。フランスの映画監督から洗練された演技を指導されて演技も立派だったと思います。
ただ内面から発せられるエネルギーというか、強烈な個性というか、もう一つ「すごさ」が欲しいところです。伝説の「カラスのトスカ」の存在感からはだいぶ遠い感じです(想像だけですが)。美人で・スリムな体格を維持できて・声もいいというほとんど不可能に近い条件を満たせる数少ないソプラノ歌手なので、ぜひすごい方向に成熟してほしいと思います。アラーニャは声の演技も文句の付けようがない感じでした。
丁度DVDの普及期に入っているこの時期、オペラにおいて見栄えのするスター登場が期待されています。この二人の次の作品が楽しみです。
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