ゼロの視点
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朝は、友人MT嬢にリムジンバス乗り場までクルマで送ってもらい、バスの中では恒例の爆睡、あっという間に成田空港に到着。
さて今回は、フランス西部在住の日仏夫婦の、日本人妻M嬢の両親のお供をすることになっている私。M嬢曰く、『成田に到着しただけで、外国に来た』と勘違いしかねない、昭和一桁の彼女の両親。そんな彼らの少しでも役にたてれば・・・、と思って、今回“同伴”を申し出てみた。
私も昭和一桁の母のことで、友人らは本当に感謝してもしきれないほど、色々ヘルプしてもらっているが、今度は私が誰かのヘルプをする番・・、というわけ。
きっとあの人達だ・・・、と、遠くから目星をつけた夫婦の行動を観察してみる。すると、女性のほうが男性に荷物番をさせて、何処かへいってしまった。で、全然帰ってこないのだが、いったいどこへ??!?!?!、と思いつつ、取り残された男性のほうに徐々に近づいていって、ようやく声をかけてみる。
と、やっぱり、彼らがM嬢の両親だった。で、M嬢の父君と挨拶を交わしているうちに、母君が戻ってきた。娘に頼まれたという干物を探して、母君は長いこと空港内を彷徨っていたことが判明。
彼らはすでにチェックインは済ませていた模様で、手元には機内に持ち込む予定の旅行カバンを各自ひとつづつ。キャスター付のカバンでないが、なんだか結構重そうだ・・・。何が入っているのか?!?!?!、と、顔にこそ出さないが、興味津々だった私。
そしてその重そうな旅行カバン2つを、日本男児として抱えて歩いているM嬢の父君。そんな彼の前を、私はM嬢の母君とお喋りしながら、荷物検査のところまで歩いていく。そして、荷物を預けて、いつもようにチェックを受けて、さて、M嬢の両親の様子は?、と後ろをふりむくと・・・・・・・・。
あの“重そうな旅行カバン”の秘密が、今、明かされる・・・・・
という感じで、検査員の要請をうけてしまったM嬢の母君は、テーブルの上で、カバンを御開帳させられることになってしまった。
すると、だ・・・・・。テロの一件で、液体関連の持込がダメになって久しいというのに、M嬢の母君、大胆にも手荷物の中に、《娘が大酒呑みだから・・・》と、日本酒数本に、自分が作ったという佃煮の瓶などがゴロゴロ・・・・・。
あちゃーーーーーーー、と思いつつ、同時に《大酒のみのM嬢》の姿を思い浮かべてみる・・・・。貴女の日本酒が成田まで運ばれてきた・・・、というのに、貴女の口に入ることなく没収されたと知ったら、どんなに悔しがることだろう・・・・、と想像みたが・・・・・。
いやあ、だめだ!、なんとかして日本酒を大西洋まで運ばなくては!!!!、と、妙に使命感に燃えてしまって、色々と粘ってみた。M嬢の母君も最初のうちは、没収されるがままだったのに、やる気になってきたのか、検査員の人にさりげなく交渉しはじめた。
おまけに、どこからどうみてもテロリストのわけがないM嬢の両親、検査員の人も哀れに思ってか、もう一度チェックインカウンターへ行って、この酒瓶を箱詰めにして機内預かりとして海を越える案を教えてくれた。
そして、M嬢の母君は係員と一緒にカウンターまで戻り、無事手続き完了。こうして、近いうちにこの日本酒がM嬢の喉を潤すことが可能になった。
母君としては、色々と荷造りしてみたのだが、瓶などをホイホイスーツケースに入れると、あっというまに20�圓魃曚┐討靴泙Δ里如◆圓沺△い辰�》という感じで、今回の手荷物になった・・・、ということなのだが・・・。日本酒にもビックリしたが、自家製佃煮の瓶詰めには、なかなか感動させられたぁ!。
そういえば、母君が検査員と一緒にカウンターに戻る時、《パスポートは各自お持ちください》と注意を受けた、夫の分と一緒にパスポートを握っていた母君・・・・。
一瞬、その言葉に従って、パスポートを夫に預けようと思ったが、我にかえった様に、渡すか否か逡巡する母君の姿をみて、《預かってましょうか?》と私が申し出ると、《あ、お願いしますっ !!!》とホッとした表情をした彼女・・・・。
もしかして・・・・・
お父さん・・・・・・
信用されてないんだね・・・・ ?!?!?!
さて、もうひとつのカバンのほうも厳重にチェックされていたが、瓶などはなく没収されることはなかった。が、いずれにせよ、あの父君が抱えてきたカバンの両方には、すべて《娘のため》の品で埋め尽くされている・・・、ということだけはわかった。
その後、出国検査を終え、マイルアップグレードでビジネスの私は、《パリに到着したらまた会いましょう!》と、M嬢の両親と別れてラウンジへ。飛行機にのったあとは、シャンパン数杯飲んで気持ちよくなった、フルフラットにして爆睡。そして快適なまま、あっという間にパリっ!!。
飛行機から降りた後は、またM嬢の両親と合流。荷物をゲットした後は、M嬢との待ち合わせ場所である第2ターミナルのTGV駅まで、第1ターミナルから3人で移動。
無事にM嬢に両親を引き渡し、御役御免。今度はM嬢にタクシー乗り場まで見送ってもらった後、2ヵ月ぶりで我が家に到着。晩御飯は、実家近所のスーパーで購入しておいたメンチカツとカニクリームコロッケ三昧。夫が、嬉しそうにムシャムシャ食べていた・・・・・・・。
10月に一緒に日本国内旅行した77歳のMGも、よく考えてみれば昭和一桁(笑)。彼がフランス人だから、なかなかそんなこと思いつかなかったが、我が母、そしてM嬢の両親と、今回は昭和一桁に、妙に縁があったゼロでした。
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