| 2005年03月24日(木) |
ナンバー623ノンフィクション「魔法の薬」 |
このタイトルとステロイドの文字に、頁をめくる指が止まりました。 私もアトピー治療に使うステロイドを「魔法の薬」と呼んでいましたが ここ出てくるステロイドは、皮膚の薬ではなく筋肉を作るためのものだそう。 オリンピックでドーピングが話題になるたび、露見するのは氷山の一角でしかなく 競技の世界では、いかにドーピングがバレないかの技術を磨いているんだと実しやかな話題も浮上する。
競技スポーツとは全く無縁できた私は、ドーピングすること、ドーピングの効果や薬のイメージも遠く、理解できない。 子どもの頃から、健康に恵まれなかった私は、あらゆる薬漬けできたので、 健康でスポーツを極められる人が、わざわざ怪しい薬を使って、身体を不健康にする気持ちなど理解したくもない。 ただ、このノンフィクションで語られるステロイド使用者のそれは少しだけわかる所もあった。
身体を鍛えることに魅入られてしまったのだということ。 健康増進、スタイルの維持で始めたフィットネス、鍛えれば鍛えるほど、その効果が目に見え 衰え始めていた筋力が戻り、自分も若返った気になってくる。 それは、私が1年続けたクラシック・バレエがそんな気持ちを教えてくれた。 身体を動かすこと、踊ることなど苦手だったくせに、始めてみたら行くたびに出来ることが増えていき、 身体の形がみるみる変わって行くのがわかり、身軽にもなった。 鏡で自分の背中を見るのが楽しいなんて、ちょっと危ないかもと思っていたが楽しいから止められない。
そこで満足していれば平和だが、中には頭打ちになって失望して、でもなんとかもっと鍛えられないかともがく人もいるのだろう。 そこで差し出される薬の誘惑。それはアンチエイジングともいえるかもしれない、歪んでいるけど。 筋肉を鍛え、今までの自分の身体でないみたいになる実感はやめられない快感。アディクション一直線かもしれない。 欲を制御するのは難しいことなのです。 でも、魔法の薬には絶対に落とし穴があると思う。 ステロイドはよく効きます。だから、健康で、普通の生活を送るのに支障がないのに、使うなんてやっぱり私には考えられない。 どうやってステロイドと縁を切ろうかと、考えつづけている人もいるのに酔狂だわ。
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