| 2004年10月16日(土) |
読書「アメリカのユダヤ人」 |
土井敏邦 岩波新書 1991年 2000年14刷
まず著者の体験。 旅行途中で出会ったユダヤ人たちとの出会いから、ユダヤ人、イスラエルに憧れを抱いた著者。 だがその後すぐににイスラエル占領下ガザ地区でパレスチナ人と出会い、 「長い歴史の中で迫害を受け、その苦悩を誰よりも理解しているはずのユダヤ人が 何故、もう1つの民パレスチナ人をこれほど抑圧できるのか」と大きく疑問に思う。
序文のこうした内容は、実際にユダヤ人もパレスチナ人も知らない私でも 疑問に思っていたことなので、これで今まで不勉強でわからなかったことも わかるかもしれない、と思い読んでみました。 そう、思っていただけなのです。
知りたかったことのほとんど、それ以上がこの本1冊でおおよそ知ることができます。 沢山の関連本がありますが、どの本を読んだらいいのかわからなかったのですが、これでした。 たった660円の本で、しかも私は図書館で借りたのでただですよ。
イスラエル、パレスチナ、ガザ地区、そしてアメリカとの関係。 選挙活動、テロ、中東問題、反イスラエルと反ユダヤの違い。 何故、戦争は終わらないのか、どうしてあの事件は起きたのか。
わかったとは言えないけど、知る手がかりにはなります。
どこかに所属していない、ということを受け入れるのはとても厳しいことだと思います。 そしてどこかに所属していると、完全な自由を得ることも難しいのだと。 自分は知っているつもりでも、そもそもその情報の入手元が情報を操作しているかもしれせん。 周囲の人が支持している考え中で、新しい考えを手に入れることは難しい。
自分が酷いことをされたからといって、何をやっても許されるわけではない。 と以前読んだ本に書いてありました。 本当にその通りだと思います。 でも、過去の恐ろしい体験が、過去の恐怖を回避しようと、極端な行動に出てしまうのかもしれません。 そしてそれはやがて自分の首をしめることになることも知らずに。
救いは、あります。 「1つの宗教、1つの民族、1つの考えに集約しようとすれば、いろいろな問題を生み出します。 ユダヤ人という1つの民族だけを切り離して考えるべきではないのです」と考えるユダヤ人と 「現在の出来事をユダヤ人全体がやっていることだと考えてはいない、 これはイスラエル政府の政策なのです」と考えているパレスチナ人がいるという事。
見たこともない、国というくくりで敵とみなしていた人も、個人同士で出会い、名前、顔を 知ったら、自分たちとなんら変わりない人達だった。という事も何度か出てきます。
それでも知ろうとする、考えようとする意思が、きっかけがなければ何も変わらないんですよね。 知ること、考える事、絶対に手放してはいけないことだと改めて思いました。
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