| 2004年04月12日(月) |
読書「ねじれた家 帰りたくない家」 |
原田純 講談社 家庭は不幸の温床。と誰かが言っていた。でも私もかなりそう思う。
前回から家族の物語が続いた。こちらは自叙伝。 この本を見つけてパラパラとめくったら、著者の母親が出かける前に一心不乱に掃除をするくだりが 目に入ってきて、そして父親の暴力的なふるまいもリアルで目の前に浮かんできた。 引きつけられて、でもとりあえず後書きを読む。そして読みたいとやはり確認していっきに読む。
少女が親から一番必要な愛情をもらえず、家を飛び出し、想像にたやすい放浪が始まる。 ベトナム戦争や学生紛争の時代背景とからまって、とんでもなく重たい。 というか相変わらずの困惑の人生が描かれている。 私は少女の心情は理解できても、実際の行動は自分にはできないから簡単にわかるとはいいたくない。 それは私にとって家はそこまで帰りたくない家ではなかったし、逃げ場はすぐ近くにあったからだ。
それでも、この物語は私を引きつけてやまない。 母と娘の葛藤(葛藤て便利な言葉よね。齟齬でもいいけど)とにかく合い入れぬ、でもなんとかしたいもどかしさが やがて、娘の方が母親をあきらめるまでが、本当に悲しかった。 私はこのテーマに過敏だ。例えば、映画「愛を乞う人」もつい(ついも失礼だが)見に行ってしまったし そういう自分の過敏さをよくわかっている。 そうしていろんな媒体で確かめないと、自分の中の葛藤を整理できないからだと予測している。 この本や映画のように、あからさまなものは無いが私は彼女たちの苦しみの断片を感じ取れると思う。 そして私は私のように感じている人は決して少なくないと知ることで、楽になる・・ような気がする。
現代も家族の問題が増殖している。 あるべき家族の姿など最初から無い。潔くそれを認めた人だけが脱出できる不幸の温床。 そんな気がしている。
※蛇足1 主人公の父親が出版界では名の知れた人だそうなんだけど、家庭では最悪。 自己正当化で、エゴイストで、善人ぶっている。最悪。 でも主人公が対決する比重は母親の方が重たいのだけど。 私はどちらかというと父親のやり方のがたまらなく嫌に思えた。
そんな最悪な父親が「テレビを見るとバカになる」といって子ども達にテレビをみせないエピソードがある。 私の子どもの頃も、世間では「テレビばっかり見ていると〜」と揶揄されていたし 実際、同級生の中には「NHK教育テレビしかみせてもらえない」と言っていた人もいた。 そんな子はどこか寂しいような、どこか誇らしげにも見えた。
テレビを見てばかりいると、情緒発達にもよくないし、目も悪くなるし、少し前の日記でも テレビ事情についていろいろ書いたから、私もどちらかというと「テレビはよくない派」になりそう。 子どもが親に訴える常套句「みんなもみている(やっている、もっている)」など子どものそんないいわけも好きではないだろけど・・
それでも、やはり子どもには子どもの世界、付き合いがあって すごく不安でもろいし、誰も手助けできないだろうから 子どもの世界で好まれているものを全く排除することは罪作りだと思う。
同様に母親も手作りが一番といい、子どもがかなりいやがっているのに手作りの幼稚園のバッグを持たせる。 かなりひどい仕打ちだと思う。 親はいい気分だろう。手作りで、可愛いのをつくってやったとご満悦だ。 でもそれは自分の気持ちでしかない。相手(子ども)の気持はどこへいったのだろう。 子どものためを思って、相手のためを思って、しばし取り交わされる善意。 成人した大人同士ならまだ回避もできるかもしれないが、子どもにそんなものを押し付けてはいけないと思う。 逆らえる道理がないのだから。 自分が一番いいと思っているものが、どこの世界でも通用するなんて思いあがってはいけないのだと思う。
こんな事書いていても他人の親の悪口いうのは気が引けるのは何故だ、不思議だ。
ちなみにまるで私も主人公のように厳しく育てられたかのように感じられるが、実際は 私はテレビばっかり見て育った。1つのテレビで3人の子どもで争うし父親の意見が一番なので、優先順位は低かったが。 母親に嫌な手作りを強要されたこともほとんどないと思う。着心地のあまりよくないものもあったかもしれないが。 概ね母親のセンスと技術が私の好みと一致していたことは幸福なことだったと思う。 ギリギリのところで、私はセーフだったのかもしれない。
※蛇足2 「温床」という言葉って初めて使ったのかな。 今まで意識していなかったけど、発音する、自分で書くだんになって「おんしょう」なんだなあ、と思った。 今まで間違っているとわかっていつつ「オンドコ」と黙読していたんです。 オンドコ・・ありえないけど、オンドコの響きが好きでした。 こういう違うとわかていても、勝手に自分の中での読み方があるんだけど とっさの時に音読してしまって恥ずかしい思いをすることがあるのでやめなくては・・と思いつつやめられない。
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