| 2004年03月17日(水) |
波紋・・「おれの墓で踊れ」を読んで |
知ってしまったら知らなかった頃には戻れない。それは大概において実施される。 でも知ったからといって、人生にこれといって影響があるわけでもないこともあるから 知らなかった頃と変わりないに等しいこともあるのかな。 それは難しいので、置いておいて。
何かの書評でエイダン・チェンバースの「おれの墓で踊れ」を見つけ 児童文学作品で、良い!という評価だった。 (若い人向けの「良い!」と言われる作品は仕事がら常にアンテナ張っている) そのあらすじとタイトルにも興味を惹かれ、早速読んでみるようにした。
あらすじに同性愛的友情・・という事がありましたが 児童文学だから、いわゆる「心の友よ・・」みたいなゾーンなのかな、と思っていたら 裏切られました。いい意味で。 ヤングアダルト文学だから児童文学より上なのね。 でも結構驚いたりする私って年寄りなんだなあ、きっと。
内容は特に「好き!」とか「嫌い!」とかの感情がわくものでもなく 夢みがちだった10代の記憶を持つ私としては懐かしく思ったりしたし、 読み物として大変面白いと思います。
その本の内容よりも、この本の存在を知ってからのリレーション情報の注入に私は驚きの連続でした。
まず、兵庫県立図書館の「本大好きっこプラン」平成14・15年度版の 基調講演「子供にとって読書とは」猪熊葉子さんの部分を読むと エイダン・チェンバース氏の話題が出てきます。
彼がどんな作家さんで、どういう姿勢で作家活動しているか数行ですが書いてあります。 そして興味深かったのは、猪熊さんは「トールキン先生」といい、トールキンの翻訳もされているのですが チェンバースの先の著書の中で、主人公のハルに「トールキンのばか」と言わせている部分がある。
「指輪物語-王の帰還-」は感動する人とそうでない人の振り幅が激しいらしい。 先日も美容院で、女性雑誌をあさっていたら、有名なイラスト映画評論家も 「こんな映画のどこを見ろと言うのか!」と手厳しく批評されていて 「なんだかな〜」と思った。そんなに?何にも無いの?そうなのか・・それはすごいね。って・・・ この人の好きなものってよほど完璧なのかな?とかその人自身に興味わいてしまった。 いいところをまったく見つけられない、完璧なダメな作品てのもなかなか難しい気がするよ。
そしてチェンバースの作品の中で書かれている ハルとその教師であるオジーとの会話で、「トールキンは自分の幻想で一財産儲けた」と 「バカが大バカどもがもうけさせたわけですね」と書いている。なかなか・・
先日の「負け犬の遠吠え」に関する私の感想と似ている、気がしないでもない。 いえ、私は酒井さんは賢いゆえに儲けていると思っていますが・・。 ※誤解されぬよう特に書いておきますが、私は「指輪物語」好きですし、酒井さんの作品も好きなのが多いです。
「俺の墓・・」読書中に雑誌「論座」4月号を手に取る。河合隼雄さん「友情と同性愛」という連載があったので読んでみる。 (本当は「児童虐待」関連の記事が載っていたので手に取ったのですが) 河合さんが1959年にアメリカに留学した時、アメリカ人から 夏目漱石「こころ」の先生とKの関係が「同性愛」と言われたという話に触れている。 「こころ」を読んだのは中学生で、そんな事は感じなかったけど、 そういう説があるというのは大人になってから聞いたことありました。 やっぱり「知っている」「知っていない」というので、判断が分かれるのかもしれないな。と。 今なら、そういう風に解釈して読めるのかもしれないなあ。どうだろう。
ちなみに「俺の墓・・」では主人公・ハルの友のバリーがハルの女友達と関係したため起きる悲劇が描かれています。
河合さんのその連載はその他、ホモセクシュアル愛とホモエロスの違いや、友情についてや、 そこから見える「男らしさ」「女らしさ」のふるまいなど、興味深いのでためになりました。 ちょうど友人たちとそんな話も出ていたので。
ここまで来ると「おれの墓で踊れ」から遠くなってきたけど、 女性を挟んでの、同性愛的友情の物語に関連してるとは言えなくも無い。 1冊の本を知ったために、他の情報までぐいぐいと食い込んでくることっていつも新鮮に楽しんでいます。 興味を持つことがなくならない限り、楽しめそうです。
------------- 今週からウグイスがそこらへんで鳴いています。 今年のウグイスさんはうまいです。練習をひそかにしていたのでしょうか?
そして去年の今頃の事を思うと肌がだいぶらくなので幸せです。 でも一番ひどくなったのは4月すぎだから油断してはいけないけど
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