| 2004年02月09日(月) |
読書「心のおもむくままに」 |
スザンナ・タマーロ 草思社
老女が離れて住む孫娘に、自分の人生を語る。 それは懺悔とか、赦しや理解を求めるのではなく、 もはや自分の言葉がまっすぐに届かなくなっている、 もう2度と会えないかもしれない孫に、 自分の娘(孫の母親)に伝えきれなかった気持を届けたいという一念からだと思う。
変わらぬ愛情や理解を希望していても、 理解できる間柄でいられることは誰しもひどく難しい。 ほんの少しのタイミングの狂いから、 取り返しのつかない事態になっていることもあるのだと。
「自分をもつ」ということ。 木のようにしっかりと根を張って生きるということの大切さを、 孫に語ろうとする、彼女の語りは、説教地味てなどおらず、 ただひたすら愛情が感じられて、愛しいのです。
これまた何年も思いをかけていた本で、やっと読めました。 度々、書評などでこの作家と「心のおもむくままに」を見かけるたびに 「読まなくちゃ」と引っかかってきたのだけど モデルがいるといっても、老人の生活とか心の動きをこうして表現できるなんて! 分かり合えない親子3代の歴史が、他人ごとでなくリアルに迫りました。
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