梨木香歩 新潮文庫
完璧。そんな感じがした。何が?といわれると困るけど。 物語の大切なエッセンスが出揃った。そんな感じ。
児童文学に分類されているのかしら? 確かに大人でない人たちから読みたい作品かもしれない。 でも、大人が読むとかなりドキリとするんじゃないのかしら? 私は何箇所もドキリとしたよ。
私は人形があまり好きではない、リカちゃん人形が家にいた気もするんだけど それをかわいがって遊んだ記憶があまりない。 そんな私がドキリとするのは77頁の最後の2行から 「人形遊びをしないで大きくなった女の子は、疳が強すぎて自分でも大変。強すぎる思いがその女の人を蝕んでいく」 う〜ん、疳強いかなぁと不安になったりして。でも私ってばかなり女脳じゃないからいいか(関係ない(笑) あと86頁の2行目 「なんでそんな価値観の違う人と結婚したのよ」というよおこの問いに 「略〜価値観の同じ人と結婚したって、修行にならないじゃないか」と祖母。 耳が痛いかもしれません。ええ、もし結婚するなら価値観の同じ人と結婚したいと思っていますとも。 上記が一部に過ぎません。本当に「あ〜う〜」とうなる部分があるのです。
アビゲイルの巻は戦争に巻き込まれた悲しい物語だし、書き下ろしの「ミケルの庭」は人間の闇と光が出てくるし・・ 想像力のない私でもりかさんマジックでスクリーンを見ているようにあっという間に読み終えていた。
たくさんの価値観というか人生が人形を通して見られますね。 「人形の夢と目覚め」というピアノの曲を思い出しました。 人形たちがいつも愛に包まれた目覚めをするといいのになと人形には触ろうともしない私が言ってもダメだなあ。
こんなこと書いていると説教くさい児童文学と見切られそうですが、確かにそういう部分も無きにしも非ず、主人公のようこは優良すぎな気もするし・・ でも人形たちの活躍は幻想的で、時には恐ろしさもあって、人形が苦手な私にはゾクゾクする部分もあって「百鬼夜行抄」「雨柳堂夢咄」系が好きな人にはいいかも。
文庫版の表紙がとてもかわいいのです。
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