だから猫が飼いたいのに・・

2003年03月26日(水) 読書「家なき娘」

エクトル・マロ作 津田 穣訳 岩波文庫なんですけど、すごいよ。1941年初版で第4刷が2001年。そして現在は品切れ中らしい。
家來、輕く、當惑、醫者、空氣、與へてゐた、實際・・・・ずっと旧漢字が続くのでした。
「もちろんぢや」「どうしてそんなことがあらう」「そうなのでせう」
これはふざけて(?)わざと書いたり、クセのある人が書いたりする言葉になっているけど、そうか昔はこれが当たり前だったのぢや。ぢ、ちに゙も普通だったんだ!
ととにかく本来のストーリーよりも読む度に「う〜ん、この漢字は昔こう書いていたのか〜とか思いながら読んでしまいました。時々全然わからない漢字も出てくるけど、前後の関係でなんとか読み進めたわ。

世界名作劇場は好きな作品がたくさんあるのですけど、この作品は特に印象が強かった気がします。お母さんがインドのサリーを着て写真を撮るという仕事をしていたのとか(何故かぺりーヌではなく母の方に似ているとか言われた)、後半ぺりーヌが小屋で自活しているのがとっても魅力的だったりした。食器を作ったり、手製の釣具で魚を釣って食べたりとか、靴や下着も作っていたのだと思うけど、かっこよかったんだなあ。そしてキャリアウーマンのようにバイリンガルで工場長秘書にまで上り詰め、工場の環境を良くするために尽力したりする。まだ子どもなのに・・あかんたれとかおしんもびっくりな展開。

原作は上下巻に分かれているとはいえ、500頁くらいの長さでこれを一年かけてアニメにしたのだから、内容はだいぶ違うのかな〜と思いきや。案外そうでもなかったです。アニメは原作の内容をきめ細かく、上手に膨らまして見せていてくれたんだと思います。違うのは犬がいることくらいか、原作はロバのパリカールがもっと活躍している。本当に可愛いロバぢや。

ぺりーヌは児童文学の主人公にふさわしいキャラクターといえましょう。明るく、賢く、誠実で、しっかりもの。しっかりものはしっかり苦労する・・という感じですけど。実際、こんな子はおらん、て気もしますが、誰もが認める天使のような子がお祖父さんに認めてもらうまで、名を隠して傍で働くストーリーには引き込まれずにいられません。がんこでどうしようもないお祖父さんが少しずつ心を開いていくところとか、お祖父さんの工場を狙っている人物たちと渡り合うところとかも楽しいし、なんといってもお祖父さんに正体が知れて感動の場面はやっぱり泣けます。
少女版のハックル・べりーであり、ちょいロビンソンクルーソーであり、シンデレラストーリーでもあり、シモーヌ・ベイユもちょっと入っている一度に何度でも美味しい物語だったのだなあと思いました。


 < これまで  目次  これから >


美功 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加