私が誰かをみっともないほど、滑稽なほど求めたのは多分彼が最初で、そして最後だと思う。 彼を失うかもしれない、と思った時、全てのプライドを捨てた。 そして、その行為に値するだけの相手だと確かに思う。
私が誰かにそれほどまでに求められた事があっただろうか? いくつかの修羅場じみたものはあったけれど、相手から感じたのは愛情と言うより執着だった。プライドを捨てるどころか、プライド故に私を手放すまいとする狡さだ。
彼が私を追い掛ける必要などない。私はいつもここにいて、彼を待っているのだから。 ちょっと振り返り手を差し出せば、犬のように尻尾を振ってついて行く。
なのに、だから、私は常に嫉妬に狂う。きっと永遠に。
|
|