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2002年10月30日(水) あゆんち夫婦についての考察


こんばんわ。ゆみなです。

『媚薬』ですが、私は毎日、この小説のことで頭がいっぱいです。
頭がいっぱいといっても、
次はどう進めようかとか
結末はどのように持っていこうかとか、
そんな「いっぱいさ」ではなく、
あゆはいったいどんなことを書いてくるんだろう。
自分の屁の臭さを冴子とシンクロしてしまうのではないか、
離婚間近の腹いせを小説にぶつけてくるのではないか、
そんなハラハラドキドキでいっぱいなのです。

しかし、昨日あゆは、
「自分の顔は濃いし、屁も臭いのでダンナの好みとは違う」
「よって、離婚も近いのではないか」と言っていたが、
果たしてそうだろうか。

と、他所の家庭のことではあるが勝手に考察してみた。


あゆとダンナは大恋愛の末に結ばれた。

前にあゆの家に泊まらせてもらった時、
その当時の写真を見せてもらったことがある。
二枚目のダンナさんと童顔のあゆは、
絵に書いたようなカップルだった。

童顔といえどもその当時から顔が濃かったあゆである。
つまりダンナさんは、顔が濃い女性が好みだったと推測される。

関西人特有の顔の濃さ。

大阪弁でいうところの
「べたべただでぇ」

さしずめ英語でいうと
「better better deep」あたりだろうか。

違う。大阪弁も英語も中途半端だ。


で、話を戻すと、最初はそうだったはずだ。ダンナさんも。

では屁の臭いについてはどうか。
これは恋人時代では知りえない情報の一つだ。
今、「恋人時代」と打とうとしたら、
入力ミスで「交尾と時代」になってしまった。
中らずとも遠からずだ。

そんなことはどうでもよかった。
そうだ。今は屁の臭いだ。

ダンナさんは、あゆの屁がこの世の臭気と呼べるもの全てを凌駕するまでの臭いであることに、
当時はまったく知る由もなかったわけである。

そしてなぜそのことについても、追求しようとはしなかったのか。

答えは一つである。

ダンナさんの中における屁の臭いの概念は、

「あっさりした顔の女は屁が臭い」

これに尽きるのだ。

裏を返せば、「顔の濃い女は臭くない」だったのである。

あゆの顔に惚れて結婚を決意したダンナさんは、
顔もさることながら、
「この女性は絶対に臭くない」と思ったに違いない。
いや、もしかしたらそちらの方に比重をおいていたかもしれない。

つまり結婚前のダンナさんは、特にあっさり顔が好きだったわけではないのである。
濃かろうが薄かろうが、どうでも良かったのだ。

そして、あゆと結婚した。
長い間、夫婦生活を共にしているうち、
不覚にもあゆは時々屁をこいてしまうようになる。

最初は「あら。ごめんなさい」と言っていたあゆも、
だんだんと「臭くて何が悪い?」と開き直るうちに、
ダンナさんが長年持ち続けていた、
<あっさり顔=屁が臭い>の図式が見事に玉砕され、
<濃い顔も=屁が臭い>が成立してしまったのではないか。

よって、結論としては、

<どんな顔だろうと=屁は臭い>という完璧なまでの解答を見出してしまったのだと思われる。

そして、その結論から導き出されるものはただひとつ。

ダンナさんはあゆとは離婚しない。
なぜなら、他の誰と結婚しても屁は臭いから。





なんで、私。こんなこと必死に考えてるんだろう・・・

それよりも『媚薬』だよ。どうするよ。ニコラスケイジやらグッチ祐三まで出されて・・・




◆◇◆◇◆◇◆

『媚薬』第五回


べたべたなアメリカ弁を話していたグッチ祐三とモト冬樹は
『マラゲーニャ』を完璧なまでに美しくハモリながら立ち去った。

その後姿を呆気にとられながら見ていた冴子はハッと我に返った。

「そうよ。こんなことしてる場合じゃないわ。」

明日も『大げさに吠えろ』の撮影がある。

プロデューサーをこの笑顔のみで落とし主役を手にした冴子にとって、
どうしてもこの映画は成功させなければならない。

自宅に戻った冴子は今日の自分の演技について反省した。

女優にとって「ひ」が言えないのは致命傷だ。

冴子は部屋の中で「ひ」の猛特訓を始めた。


「マントシシ」

ああ。だめだわ。猿なのかライオンなのかハッキリしろ!だわ。

「初死の出」

ああ、めでたいんだか不吉なんだか。


するとそこにけたたましく電話が鳴った。

「あ、冴子さん。大変です!」

マネージャーの一一からだった。
一一と書いて、かずはじめと言う日本一画数の少ない名前を持つマネージャーだ。

「どうしたの?」

「プロデューサーが亡くなりました。映画が続行されるかどうかわかりません」

冴子は目の前が真っ暗になった。

と思ったら、ちょうど電球が切れたのだった。

冴子は、取りあえず電球を買いに行こうとしたが、
一に、「そんなことよりまずは現場に来てください」と窘められた。

大急ぎで現場に向かった冴子。

そこにはすでに山さんもゴリさんも星飛雄馬も、
そしてなぜかグッチ祐三もモト冬樹も、
冬樹の兄であるエド山口までもがギターを弾きながら、
雁首揃えて待っていた。

「いったい何がどうしてそうなってこうなったって言うの?
死因はなんなの?」

動揺が伺える冴子の問いに一同はうな垂れるだけだった。


「冴子さん。実は・・・」

そんな中、山さんがお馴染みのポーズを取りたいがために真っ先に口を開いた。


「死因の最初の言葉は『し』です。」

「しから始まる言葉・・・」

しばし考えて冴子は答えた。


し・・し・・・











「歯槽膿漏?」

「ブッブッー!はずれです。」

バスローブの秘密を教えて貰えなかったことを根に持っていた山さんは嬉しそうに答えた。






「答えは”アレルギー性鼻炎”です。」

鼻炎ですって?
鼻炎で人は死ぬのか。そんな怖い病気だったのか。
しかも”し”じゃねえじゃねえか。

冴子は、今、目の前に起きてる現実を受け止められずにいた。



    〜つづくの?









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