10月に一度観に行っているものの、なんやかんやとあり、マイ楽を迎えてしまった。なんで、夏休み(と云う名の有休消化期間)に大劇場まで行かなかったのか。
相当内容がラフで脳内補充やらツッコミどころ満載。そのうえ勿体ない人がたくさんいる!(なんで、そこ二役なのさ)、と云う状態にはなっていたのだけど、嫌いぢゃないぞ。マジシャンの憂鬱。
思いもかけずインチキ透視術(マジックでもなんでもない)が国家レベルの面倒事を背負い込むことになって憂鬱。ボディガードが片時も離れず憂鬱。というマジシャンの憂鬱よりも、皇太子妃の交通事故死からずっと、ヴェロニカの抱えてきた憂鬱がシャンドールと一緒にいるうちに解されて行くのが、観ていてホッとするわけだ。最初は役目柄低く抑えていた声が、場面が進むにつれてヴェロニカの「素」に戻って行くのも良い。最後だって、言葉替えればあれはクビ、と思わないでもないけれど、行き着くところはハッピーエンドだしさ。結構なことぢゃないですか。
皇太子妃はシェイクスピアがお好き、ってことで、カタコンベのマレークは、狂乱のオフィーリアに見えてくるから不思議である。墓守もいることだし。マレークと云えば、ボルディジャールの名を聞き一瞬だけ正気に戻って、ヴェロニカの名を呼ぶ毅然とした口調、凛とした雰囲気に皇太子妃としての説得力があって、そこも気に入っている場面である。(ヴェロニカも嬉しそう)
好きと云えば、ヴェロニカ含めた侍女兼ボディガード三人組の、小芝居も。ボディガードとしては、特殊な訓練受けている割に弱そうなのは、ご愛嬌。
正塚先生、またキリヤンにカッコイイ科白云わせてるし。今日急に気がついたのだけど、主役が関わる事件がなにげに国レベル、と云うことが多いのね。
観終わってみれば、すっかりヴェロニカ祭り(ニアイコール娘役祭り)(あたしの中で)な、月組公演であった。
食べてない