2004年09月20日(月)

夢みるタカラヅカ展

沿線だから、なんて云っているうちに、いつの間にやら会期終了という恐れがあったため、『花供養』と抱き合わせで行ってきた。アート界の著名人がタカラヅカで遊んでみました、と云った容子で、タカラヅカは夢みられている対象、夢みているのはアーティストのほうである。プラス、宝塚90周年のあゆみと紹介。全体的には、以前、雑誌『BRUTUS』で組まれた宝塚特集みたいな感じだろうか。(通巻489号、マガジンハウス刊、2001年)

その中で、『ベルサイユのばら』だけは、さすが宝塚の至宝だけあって、それ用のコーナーが設けられていた。ポスターあり、衣装スケッチ、書き割り縮図、オスカル様とマリー・アントワネット様のお衣装等、出張プチ・ミュージアムである。しかし初演のものから21世紀版まで一斉に展示されたポスターを見ていて、平成版にはいちいち全部にコピーがついていることに気が付いた。

ポスターと云えば、横尾忠則(一発変換、スゲー)のコーナーでは、彼が手がけたポスターと製作メモ(?)が並列に並んでいたのだが、『春麗の淡き光に』の東京公演のポスターは初めて見たような...(そんなバカな) チラシは確か、大劇場ポスターと同じ図案だったような気がするが。

宝塚のあゆみでは、白井鐵造のコーナーが、わたし的には一番だったかな。洋行時のメモが見られるとは思わなかったし。当時のポスターも見ていて楽しい。(わたしが) モンパリだったかパリゼットだったか、化粧品の広告(「お肌には、なんとか」みたいなコピー)なんかも一緒になっていて、またそれが実にポスターに馴染んでいて、あからさまではないのに目につく、みたいなのがおもしろい。

意外だったのは、宝塚が出来て間もない頃に、岡本綺堂も脚本を提供していたと云うこと。不肖ながら知らなかった。よく考えてみればありえないことではないのだが、やはり歌舞伎のイメージが強いからかだろうか。

残念だったのは、時間の関係で、やなぎみわの映像作品を途中しか見られなかったこと。

  • グレーの制服に身を包んだ女性が
  • 役者は同じでモチーフとジェンダーを反転させた
  • 異なるふたつの作品をシーン毎に交互に見せる

と云ったあたりから、宝塚の特異性をあぶり出す試みらしい。制服を衣装とし女子校演劇部風な仕立てとすることで女性が男役を演じる正当性を置いたような気がするのだが、なんというか、そうしたことで、宝塚の美学やジェンダーの検証と云った文脈から外れた印象もある。ぎこちなさも手伝って滑稽にも見えたけど、宝塚は意外と、甘く密やかな雰囲気って無いような。(うまく説明できない。むしろ 45R さんあたりで、ピンポイントな見解とか出てそうだ)(逃げるのか)

蜷川実花の架空雑誌『Jienne』は、真矢さんと紫吹さんも登場しつつ、モデルに男役の扮装をさせつつ、メイク講座もあり、ファッションチェックあり、読んでいておもしろかった。一番真面目に遊んでいたかな。しっかりと歌劇団の広告まであったりして。

コラム映像は、スカステでやっていた「宝塚のツボ」ダイジェスト版、たぶん去年の ANA スカイビジョンと同内容だと思うが、ちょうどシナ & TERU の凸凹コンビがお届けする「セリ」上演中なのであった。

街で見かけた

昨日『花供養』の帰り、みゆき座の映画チケット発券場でチケットを買う芸術座の警備員さんが座っているところでいのうえさんを見かけた。実はこれで二回目。あたしの中では、「新宿紀伊國屋本店でケラさんと遭遇する」と互角なのだ。

ミッシェルバッハ

クッキーローゼをいただきました。ほんとうに、なんて美味しいんだ。(とりあえず「マイウ〜」とか云ってみる)

本日の昼食

らーめん