日々妄想
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2009年01月24日(土) 本気で寒いです

雪が積もって大変です。寒いです。
本当に寒いです。
こんだけ雪が積もると明日もどこにも行けそうにないなあ。
まあ、寒いからどこにも出かけたくはないのだけど。おまけに風邪をひきかけているようだし。
暖かくして寝ていよう。

そういえば、一ヶ月ほど前、ハーツの特典DVDのガイ先生と幼稚園児アッシュとルークにモエモエになってしまい、その時勢いだけでパラレル話を書いたんですよ。
書き上げて読み返すと「…私は何が書きたかったんだろう」と首を傾げるしかないシロモノでした。
とりあえず一ヶ月寝かせて落ち着いて読み返してみよう、と寝かせてみたのですが。
そして今日がその一ヶ月目だったのです。
読んでみると一ヶ月前の自分の頭の具合を本気で心配しました。
当初は「ガイ先生だーいすき」のノリで書くつもりだったはずなのに…
何故ヴァンをいつも何かを企んでいないと駄目なキャラにしているのだろう。
幼稚園パラレルを書くのならもっと違うほのぼの話にしたいなあ。

という事で仕切りなおすと思うので、一部を下にあげておきます。








手にしていた泥団子をアッシュとルークは、ヴァンの背に向って投げる。
「「先生をいじめるな!!」」
さすが双子というべきか。異口同音で同じモーションで投げる。
泥団子はチャコールグレーのスーツに見事に命中した。
その感触にゆっくりと振り返ったヴァンの鋭い双眸が、赤毛の双子をとらえる。
思わずびくっと身体を竦ませる二人をみて、ふっと表情を緩める。
「元気だな、坊主たち」
ポケットに手をいれて、飴玉を取り出す。
「おまけに勇気もある。褒美だ」
弟のルークは「わあ」とさっきまでの怒りや恐れを忘れて、素直にヴァンの手から飴玉を貰う。
「ほら、もう一人の坊主も」
だがアッシュは首を横にふる。
「…いらない。お前からは何もいらない」
飴玉を口にふくんで、モゴモゴさせているルークは「なんれ?甘くておいひよ」と言う。アッシュは苛立たしげにルークを睨む。
タオルでヴァンの背をはたきながらガイは謝辞を口にする。
「申し訳ございません」
「いえいえ、元気があるのは喜ばしい事です。では園長室に案内をお願いできますかな」
「はい。アッシュとルーク、園庭で遊んでいなさい。先生すぐ戻ってくるからな」

「なんであんな奴から飴玉貰うんだよ」
「くれたから」
いつもルークの答えは子供らしく単純明快だった。
「くれたから?お前はくれたら何でもホイホイ貰うのか。あいつが悪い奴だったらどうすんだよ」
「悪い奴じゃないよ。飴玉くれたもん」
苛立っていたアッシュはついに感情を爆発させる。
「ばーか、お前ははそんなんだから未だに三輪車しか乗れないし、ひらがなの「ね」も未だに書けないし、逆上がりも出来ないんだよ」
アッシュの言葉をうけて、ルークの瞳が瞬く間に潤んでくる。
「お、おれだって、頑張ってる。バカにすんな」
「頑張って出来ないからお前はクズなんだよ」
その言葉で火がついたように、ルークは大声で泣き出す。
「うわあああああん、アッシュが馬鹿にするー」
丁度案内を終えて園庭に出てきたガイがその泣き声に気付いて駆け寄ってくる。
「どうしたんだ。さっきまであんなに仲良く遊んでいたのに」
ガイのエプロンに顔を埋めて泣くルークの背を撫でながら、アッシュに事の次第を尋ねる。
「そいつが馬鹿だから馬鹿って言ったんだ」
「おれ馬鹿じゃないもん。三輪車乗れないけど、ひらがなちゃんとかけないけど」
しゃくりあげながらも自己主張を忘れないルークに対し、アッシュはトドメをさす。
「努力が足りないんだよ。馬鹿にされたくなかったら努力しろ、クズ」
その言葉にまた声をあげてルークは泣き出す。
「アッシュ、自分ができるからって、弟が出来ないのを馬鹿にしてはダメだぞ」
ガイの言葉に、ぎゅっと唇を噛むとアッシュは踵を返して駆け出した。


「ルークのばーか、ガイ先生もばーかだ」
木の枝で、地面にルークの似顔絵を描いてバカルークと書いていると、影が落ちる。
期待をこめて顔をあげると、そこは意外な人物が立っていた。
「双子なのに坊主は慎重だったな」
「おっさん、用事が終わったら帰れよ。ここは「かんけいしゃいがいたちいりきんし」だろ」
その生意気な口の聞き方も気にならないようで、膝をおってアッシュと目線を合わせる。
「人一倍努力しても褒められるのは一瞬。逆に出来る者として、甘えさせてもらうことはあまりないんだろう。
努力もせず周囲の優しさを無条件に甘受し、それを当たり前のように独り占めしている弟に対して、苛立つ気持ちはよくわかる」
ゆっくりと、だがアッシュを子供扱いせずに、大人相手に会話するようの話してくるヴァンに、アッシュは興味を持ち始めた。
「人は何故か出来の悪い人間、手間のかかる人間を愛す傾向にある。出来のよい人間が何もしてこなかったわけではない。
手間をかけぬように気を使っている。おかしな話だとは思わないか」
一つ年上の従姉にも言えずにいた自分の胸に奥底にあるもやもやした気持ちを、目の前のこのヒゲ男はわかってくれる。
アッシュの心にヴァンの言葉が根付いていった。
境遇の不満の種に、今確かにヴァンは水を与えたのだ。
「双子だからと何も同じでなければならないのか。いや、違うな。少し距離をおくのも悪くないのではないか。
これは私の名刺だ。何かあれば連絡しなさい。その気になれば私はお前の望みを叶えてやる」
木の枝をもつ手をひらかせると、先ほどの飴玉と名刺を渡す。
「電話は出来るな」
コクンとアッシュは首を縦に振る。
「そうか。ではまたな」と声をかけてヴァンは去っていった。
アッシュはその手の中に残った名刺と飴玉をじっと見詰める。その時遠くから「アッシュー、どこだー。もう教室に戻る時間だぞ」とアッシュを捜すガイの声が聞こえてきた。
慌ててズボンのポッケの中にしまいこむ。

目と鼻を真っ赤にしたルークが、ガイ先生に連れられて戻ってきたアッシュの気付き、駆け寄って抱きついてきた
「わあああん、アッシュが戻ってきた、アッシュごめんなさい」
しゃくりあげながら「ごめんなさい」を連呼するルークにアッシュは
「もういい」と素っ気無く返す。
「ルーク、アッシュが言う様に知らない大人から何でも貰っちゃいけないぞ。わかったな」
「はい、ガイ先生。アッシュごめんな」
「もういいって言っただろ。ほら、手を洗いにいくぞ」
ぐいっと手を掴んで引っ張るアッシュに、涙をとめて嬉しそうに元気よく「うん」と返事を返す。
手洗い場へと向う二人を目を細めて微笑ましそうにガイはみつめていた。


手を洗った後ハンカチを取るためにポケットをまさぐると、ヴァンからもらった飴玉に触れた。
俺も貰ったんだった。ガイ先生に言わなきゃ。あと名刺を貰ったことも。
そう考えた時、アッシュの頭に何かが閃いた。
なんでガイ先生はあの男と話す前から、あいつが誰かのお父さんじゃないってわかったんだ?
まず先に保護者だと思うのが普通じゃないか。
あの男と話している時のガイ先生の様子もおかしかったし。
「アッシュ、どうした。ハンカチ忘れた?俺の貸すよ」
ルークの言葉で我に返ったアッシュは、慌ててハンカチを取り出す。
「あ、いや、ある」
再びポケットに戻した時には、と名刺の事をガイに話す気をアッシュは失くしていた。





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