|
ラのつく日記
| 2009年11月05日(木) |
Untitle Melody(※この物語はフィクションです) |
それは一枚の譜面から始まった。
「タイトル未定」となぐり書きされたその旋律は、楽譜にあまり明るくない自分にも名曲を予感させるものだった。 目で音符をたどりながら、頭でメロディを鳴らし、指でフライングのポイントを置いていく。
ここでテイク・オフ。 リリースはこの最後のワンフレーズ前で…。
つぎの舞台のオープニング曲は、これ以外考えられなくなっていた。 惚れた女を守るように、そっと胸に抱いて静かに準備を続けた。
俺はただ知らなかった。翼もこの曲をオープニングアクトに使おうとしていたということを。
彼・今井翼のフラメンコ、俺・滝沢秀明のフライング、同じ舞台で輝かせ合うことができると信じていた。 なのに歯車はどんどんズレていった。 いつしか世間は俺を悪者扱いするようになっていた。
好奇や侮蔑の眼差しから逃れて、俺は世界中を旅した。 ロシア、ブラジル、フィンランド、アメリカ……、 そして最終地、スペイン。
そこに行けば彼が、翼がいると知っていた。 それでも行ったのは長い逃避に疲れ切っていたからでもあったが、信じることをやめられずにいたからでもあったのだろう。 もう一度赦しを乞うた。
翼は容赦なく俺を断罪した。 彼本人に責められること、泣かれることはまだ堪えられた。 俺を打ち砕いたのは、そう、ずっとひそかに愛してきたユキが翼の傍らによりそっていたのを目にしたときだった。
翼は俺がユキを愛していたことを知らなかった。 単純に不幸な行き違いだった。 わかっていてもなお、翼を憎み始める自分を抑えることができなかった。
自分の中の憎しみを飼い馴らした頃、俺たちを襲った、ユキの突然の失踪。 そして死。
ユキは死の直前、息子を遺したことを俺にだけ伝えてきた。
翼と俺のあいだの深い亀裂は、修復不可能なものになっていた。
それから闇に堕ちていったのは、俺も翼も同じだった。
この世のどこかにいるのかもしれない息子。 それだけが俺の最後の理性をつないでいた。
ある日、俺は悪の合唱団が結成されたことを知った。 大人顔負けの悪事の評判にふと興味をもち、俺はリーダーの顔を見に行くことにした。 そこで出会ったトモヤ(森本慎太郎)には、まぎれもなくユキの面影があった。 そして、翼に恐ろしいほどよく似ていた。
トモヤ……、お前は俺の息子なのか? それとも、翼の?
ユキが死んだ今となっては、確かめる術はない。
翼も合唱団のリーダー、トモヤの存在に気付いたようだ。 自分の縄張りを荒らされたと知って怒っているらしい。 全力をもって悪の合唱団をつぶそうと、罠を仕掛けはじめた。
違う、待て翼! トモヤはお前の……、 いや“俺たち”の息子なんだ……!!
運命の歯車が、再び大きく回り出した――
◇◇◇◇◇
*行間(3行アキ)は暗転をしめします *俺は空(フライング)で、お前は大地(フラメンコ)で――とはるかに見つめ合うシーンが予定されています *その際、該当シーンは「アンダルシアに憧れて」をふくんだメドレーで演じられます *じつは、悪の合唱団の首魁・トモヤはタッキーを屈服させてこようとするんだぞ! *みんなドキドキ、下克上だぞ! *タッキーと翼が見つめ合って一曲歌うと、2人は和解するのでした *もちろん、そのときは花道を一緒に走るという演出が予定されています *出演者は予告なく変更になる場合がございます。ご了承ください。具体的には、ユキは現時点ではリアル女子が演じる予定ですが、準備がととのった場合タッキーの1人2役になることがあります
◇◇◇◇◇
……いやあ、草木さんとしていた、タッキーと翼を一つのステージで見たいなって話の流れで、フライング×フラメンコのCHEMISTRYはポテンシャル半端ないんじゃ…!? ということになり生まれたストーリーです。 あまりにも面白かったので、許可をいただいて日記に書いてみました。 うすら寒い感じがしたらそれは文章にしたハダシめの責任です。 どうにもオチはつけられなかった……。 超展開を生むセンスが己にはまるでないという現実に直面して終わりました。 草木さん、すみません!!
いちおう、ドリボと革命とワールズウィングをMixed Up-☆ ていうか冒頭がまんまドリボですみません。 そしてタイトルもドリボを意識して名詞+名詞にしてみたよ! とんだオマージュです。 いろいろと申し訳ない。
空と大地で……! という大いなる展開を、フライングとフラメンコで表現するというのはあながち悪くないんじゃないかと、そこだけは正直ほんとに思ってるんですけどいかがでしょうか。
2010年の革命はどんなストーリーなんでしょうね! 今から楽しみであります。鬼に笑われたっていい!
|