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| 2006年10月01日(日) ■ |
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| 『絢爛たる屍』と「人体の不思議展」 |
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お昼過ぎから雨。天気予報によると、今週はずっと雨だそうな。じめじめ夏から秋晴れの日がいくらもないうちに、秋の長雨ですか。お日様パワーが大幅に減退してしまう。これじゃ元気が出ない。元気を普通のレベルに保っておくのも難しい。
さて、ニューオーリンズを舞台にしたホラー小説『絢爛たる屍』を読み終えたが、内容うんぬんというより、これは気持ち悪いなあ。登場人物がゲイで死体愛好者で、なおかつカニバリズムまで・・・という異常な倒錯の世界なのだが、殺して内臓を切り開くとかいうのは、やっぱり気持ち悪い。ちなみに、作者は女性。
ニューオーリンズの描写はそれなりに良かったのだが、そういうことには全く関係なく、とにかく気持ちが悪い。エイリアンとか幽霊とか吸血鬼とかならまだしも、普通の(?)人間がこういうことをする話は、有り得ない話ではないから、余計に気持ちが悪い。異界の魔物の仕業だとかいうならまだ受け入れられるかもしれないが。同じ人間のこういう嗜好は、やっぱり受け入れられないなあ。
とはいえ一般的と思われている多くの人たちだって、例えば事故現場などの被害者を見たくて集まって来たりするわけで、人間は皆どこかで死体を見たがっているのかもしれない。それが証拠に「人体の不思議展」などにもたくさんの人が集まって来る。
しかし、とある週刊誌で読んだのだが、この「人体の不思議展」の標本は、出所がわからないそうな。標本になっているのは中国人のものだが、それを提供したと言われている中国のナントカ大学(いい加減ですみません!)では、そんなことは知らないと言っているらしいし、日本医師会なども後援とか監修となっているが、いっさい関係ないとのこと。一体誰がやってるんだ?
でも、『絢爛たる屍』を読む前に「人体の不思議展」を観てなくて、本当に良かった。観ていたら、あまりにもリアルに想像できてしまって、眠れなくなっていたに違いない。
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『絢爛たる屍』/ポピー・Z・ブライト (著), Poppy Z. Brite (原著), 柿沼 瑛子 (翻訳) 文庫: 392ページ 出版社: 文藝春秋 (2003/06) ASIN: 416766125X サイズ (cm): 15 x 11 内容(「BOOK」データベースより) 脱獄した連続殺人鬼。ひそかに凄惨な殺人を繰り返す富豪の青年。生きた者を愛せぬ二人の男が傷心の美青年と出会ったとき、爛れた地獄が口を開けた…。倒錯性愛と頽廃の美を描く異能の女流作家ブライトの耽美的にして残虐な傑作。エキゾティックな妖都ニューオーリンズの闇の底、狂気と背徳の愛が甘い腐臭を発して蠕動する。
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