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2006年08月26日(土)
サマー・キャンプ

夏らしいと言えば、子どもの頃はサマー・キャンプ。キャンプなんか大嫌いだったが、学校で行かされるのだから仕方がない。もともと田舎に住んでいるのだから、特に空気がきれいだとか、自然を感じるなんてことはないのだし。

それでも、数が多すぎて星座の形もわからないくらいの、降るような満点の星空には感動したし、みんなで夜中までこっそり起きていたりするのは楽しかった。森とか林とか、そうした場所の感覚は、その頃に覚えたものだろう。

賢治童話などに出てくる森や林を想像する時、そうしたサマー・キャンプが役に立っていたに違いない。今思えば、ためになることをしていたんだなと。食べ物の記憶などは一切ない。どうせカレーに決まっているのだし、何が悲しくて、こんな不便なことをするのだろうと思った記憶しかない。

さて、長野まゆみのサマー・キャンプは、そういう普通のものではない。近未来の話であるというのもあるが、遺伝子操作や染色体がどうこうという理科系の話だ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『サマー・キャンプ』/長野まゆみ
文庫: 236ページ
出版社: 文藝春秋 (2003/05)
ASIN: 4167656647
内容(「BOOK」データベースより)
夏休暇も間近なある日、湾岸校に通う温は、ルビと名乗る少年から「契約」をもちかけられる。無口な少年と、手癖のわるい女の子、二つの人格をそなえたルビを、離れて暮らす母は「あなたの弟よ」というのだが―。生殖医療の発展した近未来を舞台に、人をこの世につなぎとめる愛、血脈を越える絆を描き出す傑作長篇。


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