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| 2004年02月22日(日) ■ |
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| 読書で欲求不満 |
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昨日はスコット・スミスの『シンプル・プラン』、今日はHoward Pyleの『The Garden Behind the Moon』を読み終えたが、なんか不満足。『シンプル・プラン』はすごく面白いと聞いていたのだが、今いち乗れなかった。ミステリは読みたかったけれど、こういうのを読みたかったわけじゃないって感じで、時期が悪かったのかなんなのか・・・。
主人公の心理描写はよく書けている(自分が同じ立場になったら、たぶんこうなるんだろうと思える)と感じたが、今読みたかったのは、こういうのじゃなかったんだよねえって感じ。面白くなかったというわけではないが、あてが外れた。どちらにしても、他人の「面白い」は、100%自分にもあてはまるわけではないから、こういうこともあるだろう。それを読むタイミングというのもあるし。
読書会の課題の『緋文字』も訳が小難しくて、すんなり入ってこない。「難しい」のではなく、「小難しい」のだ。この「小」がつくのが厄介。原書を見てみたら、そんなに難解な言葉を使っているわけではないので、むしろ原書で読んだほうがやさしいんじゃないかと思うほど。
ここで青山南先生が言っていた「上手い作家は、やさしい言葉で的確に言い表す」というのを思い出して、作家はごく普通の言葉を使っているのに、訳者が小難しくしちゃってる場合もあるんだなと。で、そういう訳をする人は、だいたい会話部分も変なのだ。がっくりくる。『緋文字』はいくつもの訳があるが、私が読んでいるのは、その中でもハズレだったのかも。この角川の版だけ絶版なのも納得。
で、今月読む予定の本として、トールキンの本が1冊残っているのだが、それはもう面白いとか面白くないとかの次元じゃないので、何かほかに・・・と思って、『When Zachary Beaver Came to Town』(邦訳『ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日』)を読み始めてみた。これはいいな。すごく面白いという部類ではないが、なんだか懐かしい感じのする、古き良きアメリカという雰囲気。少年ものは好きだし、主人公の少年も淡々としていていい。「Super Mex」と呼ばれたリー・トレヴィノが全英オープンで優勝した年と書かれてあったから、1971年か1972年の話。こういうことをわざわざ調べるようになったのは、青山先生の授業の名残り。
まだ半分も読んでいないが、これが全米図書賞を受賞したのは、すごくわかるような気がする。面白い本というのは、やっぱり書き出しが違う。これには結構こだわっていて、書き出しが面白くない話は、やっぱり最後までつまらないことが多い。ディヴィッド・ベニオフの『The 25th Hour』は、これも面白いとの評判だったし、映画化もしたが、書き出しが面白くない。犬が道端で死にそうになっているのを主人公が助ける場面で、そのこと自体は衝撃的なのだが、特に心を惹かれない。何度読み直しても入り込めないので、とりあえず中断した。我慢して読み続ければ、面白くなるんだろうか?あとで再度挑戦する予定。ベニオフは、「ゾエトロープ」で読んで、けして嫌いな作家じゃなかったから。
世に出ている本が全部面白いわけじゃないし、自分の感覚は人の感覚とも違うのだから、こういうことはよくあることなのだが、面白くない本が続くと、ちょっとがっかり。欲求不満になる。というわけで、思わず『シャーロック・ホームズ大全』なんかに手が伸びそうになり、堪えるのに必死になっている。
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〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『The Garden Behind the Moon』/Howard Pyle (著) マスマーケット: 132 p ; サイズ(cm): 出版社: Tor Books ; ISBN: 0765342421 ; (2002/06/01)
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