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読んでね。
『影のオンブリア』
(パトリシア・A・マキリップ)


冒頭の抜粋(英語)
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2005年09月21日(水)
老ヴォールの惑星(小川一水)

●読了:老ヴォールの惑星(小川一水)
偵察機の墜落により、おれは惑星パラーザの海に着水した。だが、救援要請は徒労に終わる。陸地を持たず、夜が訪れない表面積8億平方キロの海原で、自らの位置を特定する術はなかったのだ―通信機の対話だけを頼りに、無人の海を生き抜いた男の生涯「漂った男」、ホット・ジュピターに暮らす特異な知性体の生態を描き、SFマガジン読者賞を受賞した表題作ほか、環境と主体の相克を描破した4篇を収録。著者初の作品集。

おもしろかった。
裏テーマは「サバイバル」なのか、4話とも生き残りをかけて頑張る話だった。結末はいわゆるハッピーエンドなものの他、星新一のような最後にちゃぶ台返しの結末のものなど色々だったけれど、総じて内容はブラックな感じの話が多かった。どの話も圧倒的な読み応えがあっておもしろかった。

「ギャルナフカの迷宮」地図を手に入れた――三枚目の地図を。
主人公は政治犯として地下深くに築かれた「ギャルナフカ迷宮」に落とされる。すぐに脱出してやる、と彼は高をくくっていたのだが…。

「老ヴォールの惑星」もう1万日近く、ヴォールは秋の食事をやめていた。
話の舞台として登場する"ホットジュピター"というのは、近年発見された太陽系外惑星の一種類。数日というごく短い周期で、恒星のすぐ近くを楕円軌道で回り、表面温度は千度を超えるものもあるという。「老ヴォールの惑星」は、この過酷な環境の中で自然発生的に生まれた驚異の知的生命体が主人公になっている。ストーリーよりも何よりも、こういう最新の科学の発見を基にしたSFってすごい! SFマガジンに掲載された時もそれで話題になったんじゃなかったかな。途中までは自分がテレビや雑誌などで見かけた「事実」と認められていることなだけに、彼らの生まれた経緯やその暮らしぶりにはドキドキしてしまった。本当にこんなことがあったらいいのに!

「幸せになる箱庭」短い時間ながらことをたっぷり楽しんだ高美とエリカが、服装を気にしつつ機材庫の戸口から顔を出すと、間の悪いことに通路の先から歩いてくるマイルズと目が合ってしまった。
仮想現実についての話。オチが星新一っぽい。「繁栄の花」とか「おーい でてこーい」を思い出した。いや、ストーリーは全然違うけど、ブラックな感じが妙にね・・・。

「漂った男」海面は足を叩かず、ざぶりと柔らかく呑みこんだ。
裏表紙の紹介にあった作品、海しかない水の惑星に投げ出された男の話。ロビンソン・クルーソー以来の伝統を誇る、古くて新しいテーマ。描き方によってこんな風に新しくなるんだなと驚いた。