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読んでね。
『影のオンブリア』
(パトリシア・A・マキリップ)


冒頭の抜粋(英語)
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2004年02月14日(土)
しゃばけ(畠中恵)読了

●読了:しゃばけ(畠中恵)
 ≫冒頭を読んでみる
内容(「BOOK」データベースより)
江戸の大店の若だんな一太郎は17歳。一粒種で両親から溺愛されているが身体が弱くすぐ寝込んでしまう。そんな一太郎を守るべく、手代に身を替えた犬神・白沢、屏風のぞきや小鬼が身の周りに控えている。ある夜、ひとり歩きをした一太郎は人殺しを目撃してしまう。あやかしたちの力を借りて下手人探しに乗り出すものの…。心優しい若だんなと妖怪たちが繰り広げる愉快で不思議な人情推理帖!第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


おもしろかったー! 普段、時代ものなんて読まない人が、目をキラキラさせて「これイイよ!イイ!」とか言ってきたわけがよくわかった・・・。病弱な美少年の若だんなに萌えアンテナが刺激されまくりなのね?(爆) わかる、よく分かるよ・・・側近で育ての親(?)の犬神と白沢の若だんなに対する盛大な溺愛っぷり、若だんなと他の妖怪たちの絡みもかなりおいしいし。分かる分かる! 
仁吉(妖怪・白沢の人間名。切れ長の目をした背の高い美丈夫)が若だんなが事件に巻き込まれて殺されたかもしれないと聞いて駆けつける場面はおもしろかった。むしろの掛けられた死体の足を一目見て、
「よかった、若だんなじゃない。」
   ―若だんなの足には目印でもあるのかね? 
「うちの若だんなは、はいてる下駄と間違えそうな、ごつい足はしていませんのでね。」
「若だんなは役者なら千両稼げそうな、いい男でね」(140p)
まー、しれっとして言う言う! 万事この調子。もう面白すぎ!
こんな風に書くとボーイズ系のライトノベルみたいだけど、内容はわりとしっかりした時代もの。ストーリーの基本は「薬種問屋・連続殺人事件の謎を追え!」というミステリだけど、事件の根本から妖怪が関わっているところが「ファンタジーノベル大賞」なんだろう。最初から最後まで妖怪だらけ。この表紙は内容を正しく表していると思う。
でも若だんなの生活から垣間見える日本橋の大店・廻船問屋の雇い人たち、それを取り巻く人々の様子はリアルで、いかにも歴史もの。岡っ引きの日限の親分が店に立ち寄って若だんなと話すシーンが印象に残った。普段甘いものを買う余裕のない親分がお茶とお茶菓子を出されて、「鷹揚に鉢に盛られた茶まんじゅうがうれしかった」(46p)とか、仁吉がさりげなく袖の下を渡して、まんじゅうを土産に持たせるシーンとか。上手いなぁ・・・。
司馬遼太郎系のいわゆる硬い「時代もの」とはチャンネルが違うけど、宮部みゆきの時代もの人情話が好きな人なんかには合うのではないかと。
*娑婆気(しゃばけ):俗世間の利益・名誉にとらわれる心。しゃばっけ。(新辞林より)
*ぬしさまへ : 『しゃばけ』の続編。若だんなと妖怪の推理帖2巻。