戯言、もしくは、悪あがき。
散る散るミチル
ミチルは果てた
充電切れたら
今夜も寝逃げ

2014年06月27日(金) とおす

要するに、私はいままでであった人たちの、いとしいと思った人たちの面影やしぐさや言葉をつなぎ合わせてできているのだから、言葉を発するときも、それはもうすべて感謝でしかないんだ、いまこの世界にいる人、もういない人、はじめからいなかった人も、私を形作っている一つ一つの要素はすべて人格をもつ大切なあなたで、彼らは確かに生きていて、私は結果としての輪郭でしかなく、むしろ彼らこそ私の実態なんだ。

だから私にできることはただ精一杯歩くこと、もういいやって思う時、せめてあと一歩踏みとどまろうって思うこと、飛び立つ自由じゃなくて飛び立たない足枷を自分で自分にかけて、そしてもう一日やってみようよって笑い飛ばしてみせること。出会ってきた、もらってきた、たくさんのいとしいをもう一度かみしめて、出会えてきた日々を思い出して感謝して、せめてこの瞬間、全力の自分であれるように。

どうしたらいいのかよくわからなくてもどうしたらいいんだろうなんて言うのはやめよう。黙って自分の継ぎ目を撫ぜよう。いとしいひとの断片といとしいひとの断片のあいだの継ぎ目を撫ぜるとき、きっと私の指先はあたたかくなるはずだし、わたしなんてはじめからいなかったじゃないかって、確固たるそんな存在なんてなくてただたまたま出会えてきたいとしいが重なってなんとか立てているだけだってきっと気づける。そしてそれこそが私の力になる、きっと。

媒体。管。通り道。はじめから。それならば風を吹かそう。私の中心を風が抜けるように、そうすれば何かしら音が鳴るだろう。共鳴するだろう。ひとりでも。からだはひとつでも。通り過ぎて行った景色が鳴るだろう。それは響くだろう、きっと、空気を揺らすだろう、遠いところへも。海を隔てた向こうへも。空洞を思い出そう。そして風を通そう。空っぽであるからこそ鳴る音もあるから。きっと。それがわたしにとって唯一、あなたに触れるという行為なんだと思うから。


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