| 2005年07月21日(木) |
花組「不滅の棘」(WOWOW) ■編集中■ |
チェコの小説で、ヤナーチェクにオペラ化された『マクロプロス事件』が原作…という渋い作品だが、話がテンポよく進んだのと「春野寿美礼ワールド」全開ぶりに、意外と世界に入り込んで楽しめた。スミレ様以外の出演者も実力者ぞろいだ。
16世紀に生まれたエリー・マクロプロスという男が、知らずに不老不死の薬を飲んでしまい、300年以上生きる。その間唯一愛した女性との出会いと、100年後、その孫の起こした裁判に関わる姿を通して、彼の「死ねない苦しみ」を描く、一見重々しい悲劇だが…だが何??いや、実際結末は切ない感じで、あまりハッピーな場面もないが、突っ込みどころが多いのだ。
まず、エリー時代に、自分を一途に愛する令嬢フリーダ・プルス(ふづき美世)に出会う。最初、冷たく拒絶するエリーに♪私はぁ〜あなたを〜愛しています〜、と何度も歌いかけるフリーダ。なんか会話が成り立ってなくて…いいわ(笑)。大劇お披露目「野風の笛」、先日の「マラケシュ」のように、ふづきさんは振られたり相手にされない役、スミレちゃんはどんなに想われてもクールにあしらう役が似合うね。
時代下って、とある弁護士事務所。お金しか信じないフリーダ・ムハ(ふづき2役)が、弁護士(夏美よう)と彼の息子アルベルト(瀬奈じゅん)と、財産相続権をめぐる裁判の対策を話し合っている。アルベルトはフリーダとの結婚を望んでいるが、フリーダはお金儲けにしか興味がない。
ここで、事務所に異変が起こる。スター歌手・エロール・マックスウェル(生き続けているエリーのまたの名)が事務所を訪ねて来るのだが、なぜかバックコーラスガールたちが先に入り込み、エロールを褒め称える歌を歌い出す(1人で来いよ)。「お邪魔します」の一言もなくいきなり。続いて、おもむろにキザな身のこなしで登場するエロール!もちろん挨拶もせず、ひとしきり決めポーズを連発。かっこいけどさ…あり得ない!こんな男いたらコワいよ(笑)。おまけに、呆気に取られる事務所の3人を尻目に歌まで歌い出す、マイペース過ぎるエロール。
♪望もうと 望むまいと スターと呼ばれる スターと言われる 望もうと 望むまいと 街行く人の興味を引く
すごい!!なんという自信、自意識過剰!こんな歌詞、スミレ様にしか歌えないよ。俺は望んでないけど、人が勝手にスターと呼んでるって…!さらに、
♪リラックス 堅くならずに 脅かしに来たわけじゃない
そう言われましても、驚きますよ…固まりますよ…
♪リラックス お気を遣わずに 楽な気持ちで聞いて欲しい
いや、あなた目立ち過ぎてますから…気を遣わずになんていられません。そんなご立派な毛皮のコートをお召しになって。
♪望もうと 望むまいと 耳に入れたい話がある
どうやら彼は、裁判に有利な情報を教えに来たらしい。歌いながらさりげなく用件を切り出すとは、やりますな(でも前置きが長すぎるよ)。その間、最初固まっていたフリーダやアルベルトがいつの間にかノリノリで手拍子するなど、すっかり周りを自分のペースに引き込んだエロール。(続く)
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