| 2003年07月29日(火) |
星組「花の業平」(ビデオ) |
業平さん、なんと白ブーツ履いてる!一瞬目を疑ったね。そしてなぜか手には花束...のっけから参った(笑)。帝に見せる花の舞を嫌がり逃げて来た藤原高子とすれ違いざま、彼女の手をつかんで引き止める。ひえっ、ナンパじゃん。それもかなり柄悪い、渋谷辺りの兄ちゃんがやりそうな。業平って、雅(みやび)な人じゃなかったの?! こんな私の戸惑いは夢輝さん演じる国経によって晴らされた。
「(業平は)ただの色好みではないか!」
と、女子(おなご)にモテモテの業平を妬む国経くん。そうか!演じている香寿さんに合わせて、業平は「エロ親父」に設定されてるのか。手に持った花束がなんのためかも分かった。ナンパした女子に渡すためよ。え?大きすぎないかって?だってエロ親父だもん、ナンパするのは1人とは限らないからね。束から1人分だけ抜き取って渡すに違いない。それが証拠に、高子に決めたら、たった1本だけ(笑)を和歌を添えて渡してた。
ちなみに、「色好み」は本来こういう使い方をしない言葉ですよね。風流を解するとか言う程度の意味だったはず。でも夢輝さんの低音で言われると、どういう意味か自ずと決まってしまう...彼女もエロ役者だな。
それにしても今回の夢輝さんの役もまた、なんだかなあ...「ただの色好みではないか!」とやっかんでたら、仲間から「モテない奴」と言われちゃうし...。ストーカーだったり、女を盗られちゃったり、夢輝さんてモテない役ばかり...横では香寿さんがモテまくってるのに!なんなんだこの違い!トップになれば夢輝さんもモテてたのかな。でも、我々ファンからはモテてるからいいよね...
まあ、国経に限らず「業平」全体が、トップ以外しどころのない役ばかりで、とりあえずスターの見せ場作っときましたー、という感じだったけどね。例外が高子の兄・基経(初演では香寿さんが演じたそうだが、彼女は男役顔が精悍なのでこういう冷酷非常な役のほうが合いそう。もちろん業平役も立派だったが、雅という感じはあまり)。業平と高子の恋路を邪魔する、野心に満ちた存在感のある悪役。汐風幸、歌うまいし、女に見えないし(これは褒め言葉)、眼力があり目の表情が豊かで、いい男役だ。片岡孝夫(仁左衛門という呼び方にはまだ慣れてない)の娘だからかつい和ものの技術に目が行ったが、着物姿の所作が決まってるし、見得の切り方が見事で、業平から高子を奪い返す場面は「本物の歌舞伎みたい!」と思ってしまった。いや〜、孝夫さん(彼こそ業平似合いそうだが)びっくりしたでしょう、お嬢さんの男らしさに。
「ガラスの風景」「琥珀色の雨にぬれて」の2作品と見比べ、柴田脚本には共通点があることに気付いた。それは「愛し合ってるけど別々の道を歩まざるを得ない男女」。でも、心中とか過激な手段には出ず、現実と折り合いを付けながらそれぞれの人生を歩んで行くのよね。デ・シーカの「ひまわり」を思い出すなあ。恋愛に限らず、ままならぬ人生を受け入れていく、というストーリー、デ・シーカ始めイタリアのネオレアリスモ映画、フランス映画にも見られる。そういえば柴田さん、「ガラス〜」のプログラムにデ・シーカの「自転車泥棒」のこと書いてたな(アンケート欄)。影響受けてるんだね。
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