[跡地] 一覧  

記録用。

 2005年07月31日(日)   普通であるほうが偉大。 

うっかりTVをつけたら「アルマゲドン※」を途中から観てしまいました。
※地球に迫る隕石をシャトルに積んだ核で解決しようという映画らしい

しかし延々とパニックアメリカパニックアメリカなので(意味不明)、
面倒になってTVを2画面表示にしたら「情熱大陸」に当たりました。
今回の出演は野口さん。シャトル打ち上げまでの密着取材です。
つまり右画面はニセモノ、左画面はホンモノという妙な事態に。

左画面で忍耐強く着実にミッションをこなしている様子を見ていると
右画面でうわードカーン危ない!脱出!という一連の流れは
全くフィクションそのものでした。
何て言うんだろう、あんな人たちを実際に宇宙に飛ばす訳にはいかん。
莫大な予算と気の遠くなるような準備をかけて打ち上げられる
緻密きわまるミッション、をあんなカウボーイどもに(失礼)!
まあフィクションだからこそあんなにブッ飛んでいいんでしょうが。
何せ宇宙空間なのに炎が燃えたり(!)動作が機敏だったりするので
その時点でフィクションなのでした。燃えるってのはちょっとないだろう。

それよりも全体に漂う(いや、むしろ露骨に提示されすぎている)
アメリカ万歳にはいつも通りに辟易しました。やりすぎだろう。
つまりアメリカはいつも正しく、他国は常にバカで愚かで無計画であり、
世界の命運を握っているのはアメリカであり、どこの家でも星条旗。
いやそんなに星条旗でてないだろ庭先やら車やらに!どうなの?
あとアジアの描写のいい加減さ※もいい加減にしてほしい。21世紀だよ今。
※ワンチャイ時代または006が火を噴いていても違和感のない街並み

スローモーションの使い方などはとても効果的であり、うっかりすると
感動しそうになってしまうのが危ない。いや別にそれはいいんだけど。
確かにね、世界の危機にお空を見上げてさまざまな国の人々が
一心に自分の信じる神さまに祈るのは良い絵づらだよ?
あれっそう言えば何で上海とパリにでっかい隕石落ちてんだ?偶然?
いや途中から見たので何とも言えないけどアメリカ国土は無事?あれっ?

そしてお約束の「作動させるには一人は残るしかない」グスコーブドリ。
クジまで引いて決めたのに最後の最後で父は娘婿の身代わりに。
「娘を幸せにするのがお前の仕事だ」
「ほんとうの息子のように思っていた、自慢の娘婿だ」
うん、もう分かったよここ泣かせどころだってことは!(かわいくない)
しかしI love you.I love you,too.とこんな時に表明できることは、
それだけは素敵だなあとちょっと思ったりもした。
本当、言わないとわからないものねー。

日本人の口は「愛している」と発声できるようには出来てない。
(その昔マエストロが「ありがとう」と言う時のぎこちなさみたいなもの)
同じ意味合いで、もっと言いやすい言葉はないものかな。

そしてホンモノの方の野口さんは家に帰ると良きお父さんなのでした。
ポケモンのホットケーキを焼いて娘たちに食べさせたりしてました。
レポーターの「お父さんカッコいい?」の問いに対して末の娘が
「ううんカッコ悪い」と答え、上の娘が「でも宇宙いくんだよ」と言い
「えー?」などと二人で笑っている風景がすばらしかった。
別にアウトローがシャトルに乗ったりしなくても、こういう普通の人が
乗っていることの方が偉大ですよ。と思ったりしました。


mh