綴緝
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2003年02月03日(月) 私信(仮題)

えぇと……。
私はスレイヤーズ世界に現実の風習を持ち込むのは愚かだと考えてます。まえにも書きましたが。暦も違えば全ての単位も違うでしょう。ゆえに以下の小説を表に出すのは不本意極まりないのですが。ちとばかし遅れた時事ネタだし。こじつけを考えるのも面倒なので出します。いい加減新作出さないと私が耐えられんので。タイトルは思いつかなかった為に適当に。てゆか内容に沿ったタイトルを思いつかなかったどころか私信てのが一番内容に沿ってる思ったのですわ。私からキャラクターへの私信とゆ意味で。タイトルあとで変えますたぶん。

て訳で前置き長いんじゃ貴様とツッコミつつどうぞ。原作ベースです。むしろアニメベースなら何でもありとか思ってる私は間違ってますか。






 人は偶然の積み重なりを運命と言ったり奇跡と言ったりする。
 だが運命や奇跡といった言葉を好意的に捉えられるのは偶然がプラスの方向に働いた時のみだ。
 冗談ではない。運命の一言で片付けられて堪るか。
 手の中に転がる豆を一瞥し、唇を歪める。
 室内をぐるりと見渡した。掌中の豆を遥かに上回る数の豆に占拠されている。散らかしているのではもちろんない。そういうイベントなのだ。……ここまで撒き散らす必要はないが。
 あなたは一度でも考えたでしょうか。
 後に及ぼす影響を少しでも考えたでしょうか。
 あなたに関わったひとの感傷を、思いやる余裕もありませんでしたか。
 ひとつの道しか選べませんでしたか。ほかに選択肢はありませんでしたか。
 自分の都合に手一杯で、自分の都合を押しつけて、自分の尻拭いを他人にさせて。
 ……まんぞくですか。
「鬼は外」
 豆を投げる。じぶん以外に誰もいない空間へ向けて。
「福は、内」
 豆を投げる。追い払うべき鬼も招き入れる福も見つけられず。
 ちがうはずだ。
 あなたは馬鹿ではなかった。愚鈍でもなかった。自分勝手な一面も確かにあったが、それだけの人間ではなかった。
 考えなかった――考えられなかった筈はない。思いやれなかった筈はない。ならば何故。
 間違った一歩を踏み出し、超えてはならぬ一線を超えたのか。
「鬼は……外」
 じゃり。
 豆が足の下で潰れた。過剰にばら撒いた結果だ。部屋には言葉通り足の踏み場もない。
「福は内」
 自嘲の笑みが苦味を帯びる。
 滑稽だ。いまの己が姿が。
 まるで不幸のどん底に突き落とされ、風習に縋るしか幸を掴む法が無いとでも言っているようだ。
 鬼は外、福は内。喉を潰すほど声を張り上げても意味など無い。鬼を追い払うのも福を招き入れるも自分次第だ。
 そもそも鬼とはなんだろう。疾病か、飢饉か、あらゆる天災か。それとも人災か?
 いまなら――――あなたが鬼であれば喜んで招き入れるものを。


「鬼は……」
 鬼は内に。福は外に。
 あなたが、そう変えた。



――終。

稿了 平成十五年二月五日水曜日






(小説の雰囲気ぶち壊しな後書きゆえに反転)

大凡主人公らしくない言動ですが(主人公が誰かってのは割愛。私が書くものですから、と書けばカップリングから全てバレバレでしょう)(言動っつってもほとんど喋っておりませんが。モノローグがおかしいという意味でとってください)、たまには毛色の違った小説も良いでしょう。んでもって、です・ます体と、だ・である体が混ざってますが、わざとです。不自然でしょうかねやっぱり。変に一人称にしたのがマズかったかな。まあ変だと思ったら推敲します。

どこだこことかいつの話だ、とゆ諸々の疑問は御想像にお任せします。同行者はとかその他の人はどこに、とゆのもご想像にお任せします。考えるのが面倒とか書くのが面倒だという訳ではなく、書いたら台無しなので書きませんでした。最後に出しても良かったんですが。別パターンとして書いてもいいですね。アップする際はまだ作ってないジャンクで。

こんな感じのネタはストックが沢山あります。雰囲気がどーうしても似通ってしまうの為、やはしジャンク扱い。今年はジャンクの更新が頻繁になりそうで複雑です。ムムム。


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