もみじあおい
佐伯りあ

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■ 別れの儀式。

晴れた良い天気の日だった。

職場に届いた母親からの電話。
「ご家族からです」ということばに、ついにきたかと感じた。
母親から事実を聞いても実感がなくて。
漠然としていて。

上司に
「身内が死んだのでもしかしたら都合を付けて欲しいかも知れない。」
と、自分で事実を口に出したとき初めて涙が流れた。


仕事を終えて、安置所に行った。
最後にあったのは3日前だろうか。
その時と外見は変わっていなくて。
ただ、じっと目をつぶったままひらく事はなかった。
そっと、顔や手を触ったら冷たかった。
すこしでも暖めたいとずっと手を握った。

痛かっただろう。
それでも、断固として弱音をはくことはなかった。
強いひとだ。
つよい、ひとだ。

ぼーっと。
ああ。
もうリュックを背負ってひょこっと顔をだすことはないのだ。
「りあ?元気か?」といって笑いかけてくれることもないのだ。
冗談を言って笑いあうことも旅行に一緒にでかけることもないのだ。

血のつながりなど殆どないに等しい私を。
とてもとても可愛がってくれた。

私はなにか彼にかえすことができていたのだろうか。
今、唯一できることは、忘れないということだろうか。



随分はやく逝ってしまったなぁ。




ゆっくり休んで欲しいと、心から願っています。


2005年05月10日(火)
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