右脳左脳心臓

2001年11月12日(月) 育ての母

母方の祖母で私の育ての母の葬儀から今日帰ってきた
ちょっと長い日記になるかな・・・

うちは4人姉妹で全員お婆ちゃんに育てられた
実家とお婆ちゃん家が車で3分という近さと
父が給料も入れずに 仕事関係の女性や博打にお金を使う人だった為
母が働いてその間 お婆ちゃんに預けられて育った
共働きな上 両親と接する時間が殆どなかったので
お母さんが専業主婦の友達の家に行くと
凄く安らいだのと同時に 羨ましくて淋しかった事を今でも思い出す

仕事に行く前にお婆ちゃん家に送ってもらい
そこから学校に通って帰ってくる
仕事を抜け出して 母が子供たちを迎えに来て家に送るとすぐ
また仕事に戻っていく・・・家の中の事は全て長女のあたしの仕事
掃除洗濯ご飯の支度から後片付け・・・・小さい妹たちを寝かせる事
他の保育園・小学生にはうちは苦労しているように映ったケド
その中で生活しているあたし達にはごくフツーだった
子供心に母が死物狂いで働いている事を感じ取っていたから
あたしは一度も母に『要求』をした事がない
絶対に言ってはいけない事と思っていたから
妹たちはそうでもなかったケド(笑)

今考えても 誰一人グレなかったのが不思議な位やけど
親には貰えなかった愛情を お婆ちゃんがたくさんくれたからだと思う

あたしが4歳の時 いつも通りお婆ちゃんが自転車で
後ろの籠にあたしを乗せて保育園に送ってってくれた時の事
保育園まであと200Mの所で ジャリ道にタイヤを取られて
お婆ちゃんが倒れた・・後ろのあたしも放り出された
あたしはすぐに起きてお婆ちゃんに駆け寄った
揺すっても声をかけても返事がない
あたしは必死に保育園まで走った 途中で我慢できなくてわんわん泣きながら
保育園で先生を見つけてすぐ
『お婆ちゃん死んじゃった!!お婆ちゃん死んじゃった!!』
って泣きながら先生のエプロンを掴んで お婆ちゃんの所まで連れて行った
転んだのが病院の前なんやから 病院に入れば良かったんやけど(笑)
すぐその目の前の病院に入院して検査したら 幸い骨折だけだった 

あたしが一番お婆ちゃんから遠い所にいて たまにしか帰らないから
病床の中でも常に母に
『アイツはどうしてんだ?帰ってこないのか?真面目にやってるのか?』
って言うてたらしい・・・
そして必ず
『アイツはすごいコだ!4歳なのに必死になって先生を呼びに行った・・
フツーの子供ならその場で泣いてるのに・・・アイツはすごいコだ!』
って ↑の怪我した時の事を話してたって 母が泣きながら言うてた

火葬場に行って お婆ちゃんに最期の別れを伝えて 骨になって戻ってきた時
骨にしっかり その時のボルトが二本組み込まれてた
母が
『あのボルトが20年以上もあんたを守ってきたんだよ お婆ちゃんが守ってきたんだよ』
って言った あたしも母もポロポロ泣いた
母が『あのボルト貰おっか』って言った時 あたしは黙って頷いた
ケド 母の姉(伯母さん)が『そんな物持つもんじゃない!』っていう一言で
母もあたしも諦めた 
まぁ どうしてもって思った訳でもなかったから

昨日の夜 母が部屋に入ってきて
【お姉ちゃん コレ】と差し出したのは おばあちゃんのボルトだった
え?と思って どうしたの?と尋ねると

【あの時のあたしとお姉ちゃんの会話ややりとりを 東京の叔父さんが見てたらしくて
お母さんに『こんな時に遠慮なんてしなくていいんですよ 姉さん』って
耳元で後ろから言ってきたの それを東京の伯母さん(母の妹)が聞いてて
スッっと前に行って周りには分からないように
サッと貰ってきてくれてたの あんた達が貰っていんだよ って】

涙が止まらなかった 諦めていたし モノじゃないって分かってても
やっぱりあたしにとってもお婆ちゃんの怪我は
凄く大きな出来事だったから
それを叔父さんや伯母さんが察知して動いてくれた事にも
感謝してもしきれなかった 嬉しくて涙が止まらなかった
こうやって周りに助けられて今までも来たんだなぁ・・・って
その筆頭がおばあちゃんだった

今日こっちに帰ってくる前に お線香を上げにお婆ちゃん家に寄って
母と二人で仏前で手を合わせた時
今までの緊張の糸が切れたのか 母がこらえ切れずに嗚咽し始めた
母は あたしと話がしたくてしたくて仕方なかったんだって事を妹から聞いていた
時間が取れない二人な上に 性質が違う為 今まで会話が成り立った事がなかった・・・
でも 昨日と今日で色んな話ができた事もあって
今 あたしに離れられるのはとても堪えるらしい

黙って背中をさすってやる事しかできなかった・・・・
今までこんなに弱くて小さい母を見た事がなかったから
あたしも初めて母を支えなければ と心底思った
まぁ 精神力は元々強い母だから 少しすれば元に戻ると思うケド(笑)

死んでも尚 それぞれに色々な課題を残していったお婆ちゃんは
誰よりも一番強くて大きくてあったかい人だった 誰も敵わない素晴らしい人


お婆ちゃん 育ててくれて本当に本当にありがとう


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