耳鳴りおやじの日記
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昔、僕の友達が鳥のなわばりの研究をしていて、川の近くにいってデータを回収していた..また、知り合いの地学の先生は湖まで言って調査している..回収したデータの分析は、大学に帰ってきてから行うわけだが、分析の日々が続く..
最近、学生のデータを取っていると、こういった仕事と似ているなあと感じることがある..有り難いことに学生さんはすぐそこにいる..これはフィールドワークだ..
人と向き合う研究は、難しいと思う反面、安心感がある..結果が出て、それをフィードバックしたときに分析が役に立ったと感じるからだ..
何故か、ヒトを対象にしない研究は孤独感がある気がする..実験結果がすばらしい雑誌に載ったとしても、そういうことに関する自己満足、名誉獲得みたいな側面があり、実験結果の先が見えないからかもしれない..
生命科学などの分野で最終的にヒトの幸せに結びつくと研究者が感じるためには、どんな基礎研究者でも、現場から得られる情報は必要だろう..
最終的にヒトに役立つことが実感できれば、地道で孤独な実験もがんばれる..これはすばらしい論文に載せてやるといった動機よりも数10倍、実験意欲を駆り立てられる..
多くの基礎研究者が脱落する理由は本当にくだらない..教授と合わない、同僚とけんかした..など..
特に生命科学に携わる基礎研究者は研究の先に見えるフィールドに行って、自分の研究がどうなるかということを肌で感じてみると良いかもしれない..
年老いた私でも学生に会うと肌のしわが引き延ばされる思いである..
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