耳鳴りおやじの日記
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2004年04月08日(木) 教授のエッセイ

定年後のI教授は、最近、自分のエッセイを出した..これがまた、学ぶところが多いのだ..

 I教授は、人を育てるのが得意な方ではない..僕も若い頃、良くいじめられた..なんてひどい人だろうと感じた..しかし、なぜか惹かれる人だった..

研究者というのは、I教授のような人の事をいうのだと最近感じる..良く大学教員はノーベル賞を求めたり、科研で何千万もらったとかで評価される場合が多いが、研究とはもともとそんな派手なものではなく、自分が素直に面白いと感じることを、なんとかやりくりしながら個人で地道に進めることなんだと思わされる..

 I教授は東大出身のエリートだが、エッセイを読むと決して幸せな人生ではないことに気づく..信州の田舎で育ち、幼い頃に両親が離婚して、お母さんは再婚相手として医者を選んだ..しかし、戦中、戦後のばたばたなどで医者をやめてから、家計が困窮して農産物を売り歩いた経験を持つ..
 その中で苦労しながら東大医学部に入った..

エッセイの中で、”時”を大切にという部分がある..そこには”時を大切にするということは結局、周囲に雑音や流行に惑わされず、自分の道をしっかり見極めて歩いて行くこと”と書かれている..

 先日、教授とお会いして思ったことは奥さまと非常に幸せな生活をおくられていることだ..富も名誉も人間関係もさけた教授であったが、幸せを得ることはそんなに難しい事ではない気にさせられる..

 僕もI教授のような”時”を”創る”人生をおくりたいものだ..


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