朝ぼらけ。
嫁が1枚の紙を見せてきた。娘・R(4才)の身体測定の結果であった。
身長は平均より10センチ低い。体重は平均より2キロ軽い。50メートル走は平均より1秒遅い。
「うーむ、思ったとおりだ」
「Rらしいね」
と嫁と話した。顔からつむじの数から、つまらないところは全て僕に似ているRである。僕も背は低いし運動はまぐわい以外大嫌い。Rは運動嫌いというわけではないが、公園で遊んでいると駈けずり回るより砂場でチマチマままごとをやっていることが多い。そんな僕に似たが最後、足も速いわけがない。血の呪いは恐ろしい。
せめて運動面だけは、東洋の魔女ばりに女バレで鍛えられた嫁に似れば良かったのに。今からでもRを鍛え上げるか…?
僕もしくは嫁が鬼コーチ・本郷と化し、それ回転レシーブだ花びら大回転だ木の葉おとしだ松葉崩しだAクイックだBクイックだDカップだGスポットだ、と猛特訓をするのだ。そう。我が家に足りないもの。それは「熱血」であり「スポ根」である。男根は僕が1本持っている。
そんな決意を朝日に誓っていたらRがもっさりと起き上がった。
「パパ、おしっこ…」
Rはいつも甘えて僕にだっこされてトイレに行く。しかし熱血を決意した僕は
「自分で行け。ほれ駆け足!」
苦しくったって悲しくったって、ひとりで行け、と指示した。アタックNo.1への道はここから始まるのだ。父のようにオタクNo.1になってはならぬ。しかし悲しいかな、生まれてこのかた熱血の免疫なぞビタイチないRは
「いやーパパと行くー。もれちゃうー」
うわああんと涙が出ちゃった。女の子だもん。
「まあ今の女バレはブルマじゃないから趣がないし、無理もないな!」
僕も熱血をあっさり撤回し、ネットタッチおしりタッチ、とRと戯れながらトイレに駆け込んだのであった。
嫁の東洋の魔女ばりのスパイクは僕の夜這い撃退用として今だ有効であるが…
Rは放尿の幼女でいいや。かわいいから。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。