テレビのチャンネルを回しているとF1だかF3000だか分からないが、レーシングカーがふおんふおん爆走しているのを見て
「ぱぱ、これなーに?」
僕の膝の上でテレビを見ていた娘・R(3才)が興味を示した。
「これはね、車が走ってるんだよ」
3才児でもそれぐらい分かるだろ、という間抜けな答えをしてしまったところたちまちRに突っ込まれた。
「なんではしってんの!」
「どの車が速いか競争してるんだよ」
「どこにいくの?」
「ゴールまでさ」
「ゴールってどこ!」
「ほら、ずっとぐるぐる同じところを走っているだろう?あれを何十回、決められた回数を走ったらゴールなんだよ」
「えきはどこ?」
「駅はないなあ〜」
Rは大好きな電車と混同しているようだ。Rにカーレースの根本的な部分を質問され、できるだけ分かりやすい答えを考えながら答えていたら、なるほどカーレースは人生のようであるな、と陳腐な連想であるがそう感じた。
レーシングカーがサーキットをぐるぐる回るように家と会社を延々と往復し、他者と競い合い、ゴールする。人生のゴールって何だろう。トップのゴールもあればドベもある訳で。
僕の人生という名のレーシングカー。燃料はアメとムチ。性能はダメな父。ポンコツだけれどもそれなりに全力で走っている訳で、特に栄光のゴールを狙っているわけではないが、たとえドベでもゴールの前には子供達いて、僕を出迎えてくれさえすれば嬉しいと思う。
待てよ、轢いてしまうか。
では、カーレースにはピットインがある。僕はポンコツだから何度もピットインしなければならないだろう。そこで嫁が優しく出迎えてメンテしてくれたら嬉しいと思う。
「だから嫁よ…」
「うるさい、寄るな」
ピットインじゃなくてベッドインしようとしたら怒られちゃった。てへ☆
レースリタイアしていいですか…。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。