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■キッザニア前夜
2007年02月22日(木)
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夜、会社から帰って来て子供の寝顔を見ようと寝室を覗いたら

「ぱぱー!」

布団の中から娘・R(3才)が飛び出してきてびっくりした。

「こんな遅くまで起きてたの?」

「えっとねえ、Rちゃんねえ、今日、パン作りに行くの」

Rは「今日を含むそれ以前」のことを「昨日」と言い、「明日」のことを「今日」と言う。1日ずつズレており「明日」という言葉はまだおぼろげにしか覚えていない。なのでこれを訳すと

「明日パンを作りに行く」

ということになる。

「Rちゃん、今日じゃなくて明日だね」

「あした?」

「そう。明日という字は明るい日と書くのね。若いという字は苦しいに似てるわ」

明日、嫁はママ友仲間と一緒にRと息子・タク(1才)をキッザニアに連れて行くのである。色々な職業体験が出来るキッザニア…。僕は金払ってまで仕事はしたくないが、幼いRには貴重な体験となるだろう。1才未満で対象外のタクが可愛そうではあるが。Rはここでパン職人の体験をしてみたいらしい。

「ぱぱ、いっしょにねんねしよ」

新妻のようなはにかみを見せて僕を寝床に誘うので、昔は嫁もこんな新鮮だった…と既に寝床で横たわっている現在の新鮮ではない嫁を横目にしながらいそいそとRと布団に潜り込んだ。

ところがRはちっとも寝ない。はしゃいでしまって寝ようとしないのだ。

「わくわくしてしょうがないんだね」

きっと遠足の前夜のように明日が楽しみで仕方がないのだろう。そんな感覚、とうの昔に忘れておった。そんな純粋なRを羨ましく思い、

「ほらほら、早く寝ないと明日起きられないよー」

と言いながらもなかなか言い聞かせられなかった。

様々な職業体験が出来るキッザニア…。大人向けにもないのだろうか。例えば学校とか病院とかで、女子高生や美人ナースがもてなしてくれるという…。

あ、そりゃイメクラか。

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