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■食卓の格差社会
2006年11月21日(火)
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こないだの土日はまるまる休みだったので家族で飯を食べられたのだが、嫁のオカズが気になった。

ずっと白菜の漬物だったのである。

娘・R(3才)や息子・タク(1才)のゴハンはちゃんとしたもので、僕のオカズもデラべっぴん、じゃなかった(それは真夜中のオカズ)、肉とか普通のものだったのに、嫁の周りだけだけ昔話「かさじぞう」の貧乏爺さんのような、灰色の貧相なオーラが漂っていた。

嫁が断続的にボリボリと白菜を噛む音がより一層貧しさを醸し出す。いつ「ラブユー貧乏」がBGMとしてかかり始めてもおかしくない貧しさのズンドコ。

はじめは「ダイエットでもしてるのだろうか」とも思っていたのだが、続けざまに白菜ばっか食べているのを見せられると、遂に耐え切れなくなって口を開いた。

「なあ…うちってそんなに家計苦しいのか?」

「は??(ボリボリ)」

薄才の夫の妻は白菜だなんて洒落にもならぬ。

「僕らにいいもん食わせるために、お前だけ節約して白菜ばっかじゃ可哀想じゃないか」

「いやそうじゃなくて」

「僕の誕生日のケーキ買ってくれたり、こないだスーツも2着買っちゃったし、それでお金なくなっちゃったのかああああ!」

「違うのよ。私の実家から大量に白菜が送られてきて…。だから処理してんの」

嫁実家からは時々大量に食物が届く。確かこの前はサツマイモとジャガイモではなかったか。

「それでも白菜だけってのは辛くないのか?ウサギじゃないんだから」

「いいの。好きだから」

嫁が「いいのだ」と言うのだからいいんだろうけれども…。その姿を見ながらこっちはぶ厚いトンカツを食べるのはちょっと気が引けるわけで。

「あの…よろしければ僕も協力しますんで。白菜」

「あ、そう(ボリボリ)」

聞いてるんだか聞いてないんだか分からない、昭和天皇のような気の抜けた相槌を打った嫁は、再びバリボリと音を立てて白菜を処理していくのだった。

健康的でいいんだろうけれども、白菜ばかりじゃ性欲も湧かないんじゃないか。大いに困る。お股にゴム製の笠を付けて「ほーら、夜のかさじそう〜」とかできないじゃないか。バランスの取れた食事をして、病気などしないで欲しい。

家内安全。
無病白菜。

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