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■ハナタレから解き放たれて
2006年11月06日(月)
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娘・R(3才)がハナタレ娘になってしまった。

朝がとくにひどい。寝ている間に溜まってたものがダラダラと出るようで、大変辛そうである。ティッシュの消費量は夜中の秘密タイムにおける僕のそれに次ぐ多さとなってしまった。今のところ熱はないのが幸いである。

「かわいそうだが吸ってやるか…」

僕は秘密兵器「鼻水吸い取り器」を取り出した。ホースを鼻に突っ込み、もう1本のホースを口に含み吸い上げるのである。鼻水は2本のホースの間の容器に溜まる。だがこれはRが物凄く嫌がるのである。無理もない。僕も耳鼻科で鼻を吸われるのは嫌いだ。

「でもお鼻すっきりするからね。ごめんね」

「いやあああ!だめー!だめなのー!うわああん!」

Rが暴れるので馬乗りになって吸い出したが、約1時間後もズルズルやっているのでもう一度鼻水を吸った。Rもまた絶叫。

全力で泣き叫ぶ娘を羽交い絞めにし、上から見下ろすのは虐待しているようでとても気の毒である。何度もやるようではお互い精神衛生上よろしくないし、体力も消耗してしまう。

「よしRちゃん、お医者行こう。お薬貰って来よう」

「だめー!だめなのー!」

Rは医者も大嫌いなので再びダメダメの嵐。ダメよダメダメダメ幼児。

「大丈夫だよ。お腹にポンポンって聴診器当てるだけ。で、お薬貰ってすぐ帰って来れるから」

「うん…」

なだめすかしてRを抱いて耳鼻科へ。それでもRは怖がってダッコのまま絶対に離れない。名前を呼ばれて診察室に入ると

「ぎゃあああああああ!」

まだ何もされない内から号泣。ドクターは困った顔をして言った。

「あのーすみません。隣で聴覚検査やってるんで。あと2分ぐらい出ていてもらえますか」

ガビーン。

思わぬタイムロスを食ってしまった。その分だけRが余計に泣き叫ぶではないか。2度目の呼び出しまでずっとあやし続け、再び診察室に入った。

「すみませんねえ…お待たせして。はい口開けて。あらー荒れてますね。風邪の引き始めですね。はいお鼻吸いますよー」

「うっぎゃああああん!」

R、本日3度目の鼻水吸われ。もう気の毒で見ていられなかった。しかもその後これまたRの嫌いなネプライザー(鼻から口へ蒸気を通す機械)を当てさせられ、もうRはどれだけ泣いたことか。

「Rちゃんごめんよ、すぐ帰れるとか適当なこと言っちゃって…」

「ひっく、ひっく、うー。ぱーぱー」

Rはまだ泣き止むことが出来ず、言葉が出ない。しかしおもむろに僕の手を引っ張って自分の顔に近づけて…

「うわあっ!僕の袖でハナタレ拭くなっ!」

ハナタレ娘は声に出せないが、目でぎろりと睨みブーたれていたのであった。

ハナンタレブー。

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