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■父思う、ゆえに乳あり
2006年05月25日(木)
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娘・R(2才)は自分が歌っていたり踊っていたり、何か芸をしている時は必ず

「見て見て〜」

すごいでしょ、と言わんばかりにオーディエンスとなるよう強要する。その都度

「すごいねー」

と褒めてやるのだが、今朝も出勤の支度をしていたら「見て見て〜」攻撃が始まったので、今度は何をやらかしているのやら。

「はいはい、なんでしょう」

と視線を移すと…

「おっぱい!」

上着をまくり上げて上半身丸出しになっていた。思わず

「そんなはしたないことはやめなさい!」

と怒鳴ってしまった。Rは驚いた様子であったが、僕も我に返って驚いた。というのも本来の僕のキャラならば、大きくなってもパパに毎朝おっぱい見せてね、とエロ親父全開で褒めるところである。

それなのについかっと叱ってしまうとはどういうことだ、と自分のことながらこの突発的な衝動を理解するのに時間が掛かってしまった。

昔、オヤジ系週刊誌で「あなたのオッパイ見せて下さい」という連載記事を見たことがある。今もやっているのだろうか。カメラマンがナンパした形で、街中で女の子がおっぱいをボローンと露出している写真が載っていたのである。

どうせ本当にナンパしたのではなく、売れないモデル事務所に属する女の子あたりを仕込んでのことだったのだろうけど、ついその記事がフラッシュバックし、Rにはそんな安い女の真似などして欲しくない、という真っ当な親心が働いてしまった…。

自己分析すると、そんなところである。僕はRに対してはストイックな女性像を求めているのかもしれない。ひょっとすると良妻賢母の前時代的な、男から見て都合のいい女性像をRに求めているのかも知れず、そのノリで教育してしまうとRが成長した暁には煙たがられてしまうかもしれない。気をつけなければ。

Rは僕の声に驚いたのか、もそもそと上着を戻して、しょぼーんとしていた。泣き出しそうな瞳をこちらに向けて。

「ごめんね、R」

怯えさせてしまったね、とウルウルした瞳を見つめながらこう呟くのであった。

君の瞳に、おっぱい。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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