嫁が一冊のノートを持って来た。
それは娘・R(1才)の育児ノートであり、
Rが1才になるまでの記録が細かぁく記されたものであった。
そしてそのノートの最後にはまとめとして
親から1才になった子供へのメッセージを書く欄があり、
「Rちゃんに向けてのメッセージを書いて」
ということで嫁にノートを渡されたのである。
はて、どんなことを書けば良いのか。
下手なことは書けない。何故ならば、Rが大きくなった時に
「あなたが赤ちゃんの時はこんな風に育ってたのよ」
と、このノートを見せることになるだろう。
その時にRが読んで鼻で笑われるような内容ではいけない。
迷いに迷って、全然筆が進まなくなってしまった。
素直にRに対して思っていることを書けばいいのだが…、
と思って頭の中でまとめてみる。
・お父さんはRちゃんにめろめろです。
・お父さんはRちゃんを愛しています。
・お前が俺には最後の女。
…なんだ、これでは恋文ではないか。
どうりで書けないはずである。自慢じゃないが僕は恋文なぞ
書いたことが無い。試みたことはあったが書けずじまいだった。
苦手なのである。嫁からは結婚前に何通か貰ったことがあるが
返事をした覚えも無い。
なんで結婚できたんだろ。
「…あ。まだ書いてない!」
グダグダしてたら嫁が地獄の督促をしに来た。
あわよくばバックレようとも考えていたが、
逃げられないようである。
腹をくくって書いた。そんで嫁に見せた。
「えーと、『R、愛してるよ!』って…ぷ」
わーん。声を出して読むなー!
Rに鼻で笑われる前に嫁に笑われてしまった。
火事かなんかでこのノート、燃えてくれないかなあ。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。