僕と嫁と娘・R(7ヶ月)は川の字になって寝ている。
いつも僕・嫁・Rの順だ。
真ん中にいる嫁はいつも横向き、つまりRの方を向いて寝ている。
亭主に背と尻を向けて寝るとは何たることか、
とは言わないけれど寂しい限りである。
ではせめて愛娘の寝顔を見ながら眠ることにしたいと思っても
僕の位置からでは間に嫁がいるからダメである。
かといってRを真ん中に寝させるのは危険である。
僕か嫁が押し潰してしまうかもしれない。
「嫁…お願いがある」
「何よ」
「今日は僕がRの隣に寝たい」
「いいよ」
なんだか無性に寂しくなったので思い切って
嫁に頼み込んでみたらあっさりOKが出た。
嬉しい。今夜の寝床は両手に花の親子ドンブリ。
みんなで手をつないで寝るのだ!
…と思ったら嫁はまた僕に背と尻を向けて寝ている。
意味ないじゃん!Rが横にいようがいまいが
結局僕に背と尻を向けるのか!
「嫁、なんでこっち向かないんだよう」
「あなたのお尻も合わせれば、『お尻合い』よ」
あー…なるほどねえ。
それではわたくしめも、と横を向いて
嫁のお尻に合わせたのだがふと気付いた。
僕たちって知り合いなんかじゃなく
夫婦なんじゃ…。
嫁のお尻と言葉尻が気になって眠れない夜。
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