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■いらっしゃいませ。この世界にようこそ。
2003年08月10日(日)
早い出産だった。
8/8の22時ごろ破水があって、入院したのが23時ごろ。
僕も付き添って、「勝負は朝になってからだ」などと
構えて寝ていたのだが

「アナタああああ。助けてえええ」

深夜2時半ごろ、陣痛に耐え切れなくなった嫁に起こされた。
僕がナースコールをすると、宿直の助産婦さんがやってきて
彼女の指揮のもとに分娩室に運ばれて行った。
僕もしばらく待機した後、呼ばれた。

嫁が陣痛に耐え切れずにヒーヒー叫んでいるのを

「声なんか出さなくていいの!呼吸なの!」

「ほら!呼吸!さっき教えた呼吸法はどうしたの!」

「まだきばっちゃだめなの!今きばっても
 赤ちゃんが苦しむだけなの!」

助産婦さんはビシビシと叱咤する。すげえなあ…。

「旦那さん!ちょっとそこどいて!
 あ!分娩室内ではちゃんと白衣着てください!」
 
感心していたら僕も怒られてしまった。怖いなあ…。

彼女を「ボブ産婦」と命名。

いよいよ産まれる、というタイミングでボブ産婦が医師を呼ぶ。
今まで嫁の担当医だったという男の先生がやってきて
子供を取り出す準備にかかりだしたのだが、
器具が足りないらしくてボブ産婦が慌てて探し始め出した。

「君の事前確認がしっかりしてないからこうなるのだ!」

ピシャアー!と医師が一喝。
さっきまで檄を飛ばしていたボブ産婦を
すっかり縮こまらせてしまった、更に怖い医師。

彼を「力医師(リキイシ)」と命名。(copyright:電気グルーヴ)

しかし、先生たちのおかげで陣痛から1時間程度で
あっさり産まれてしまった。

「ほげー」

というブラックデビルの断末魔のような産声を聞いた時は
今までの不安やら悲しみが一気に浄化されてしまい
身体そのものが消えて無くなってしまうのではないか、というぐらい
力が抜けて崩れ落ちてしまった。

「流産してるから今回のお産も早かったのね」

嫁にボブ産婦が言っていたのが聞こえた。
嫁は何言っても聞いちゃいねえ状態だったが。

去年、声も聞けないまま消えてしまった子。
ああ、そうか。
この子が嫁とおなかの子を手伝ってくれたんだ。

いなくなってしまった子、親、友達、たくさんの人たち
みんなが後押ししてくれた結果に違いない。

初めて胎内から出てきた我が子。
彼女にとってこの世界は第一印象はどう映ったのだろう。

この世界で君は愛されるんだよ。
ようこそ。



アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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