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■鍵の行方。
2002年09月21日(土)
夜、家に着く。ポケットから鍵を取り出す。
鍵を回して扉を開けて中に入る。

鍵を横の棚に置こうと思ったら

「おかえりい」

嫁が出迎えにきた。出来た嫁である。
しかし、鍵を置こうとした手が嫁に阻まれてしまった。
空中に鍵を持ったまま停止した手はどこに降ろせばいいのか。

じゃあ嫁の胸の谷間にでも置いてみようか。これぞ

「谷間鍵挟み」

新婚夫婦なら「裸エプロン」と同様に絶対やってるはずだ。
…嘘である。今作った。

嫁のシャツの襟首をぐいっとほどいて鍵を落とす。

すー。ちゃりん。

鍵はどこにもひっかかることなく、直行で床に落ちた。

…分かっていたことだ。
嫁の胸など谷も無ければ山も無い。

「むなしい」

僕はため息をついた。

「それはコッチのセリフよ!
 いきなりやっといて何よ!
 むなしいっていうか、悲しいわ!」

嫁がヨヨヨヨ…と嘆いた。

すまん。

三歳児に般若心経を無理やり写経させるぐらいの
無謀な試みであった。

でも、ちょっとはひっかかるかなって思ってたんだようようよう。

2人で泣いた夜。

今日もアリガトウゴザイマシタ。

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