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■ 此処
大学浪人時代、 僕は「ただ、生きていくこと」の容易さを知った。
それまで僕は、 お金を稼いで、生活していくと言うことは どんなに大変なことなのだろうと 不安にかられ、恐れ、戦いていた。 しかし、なんてことは無かった。 僕一人、生きていこうと思えば、 ぜいたくをしなければ、いや、 少しくらいのぜいたくをしたって、 生きていけないことは無い。 僕は、僕一人をなら、 十分養える力があると言うことを知った。 正直に言って、拍子抜けだった。
しかし、僕の生活は、 そのことを知ったときから急に荒廃した。 僕一人生きていくことは容易い。 そのことを知って、ますます何かの為に 生きていきたくなった。 とにかく、「やりたいこと」が欲しかった。 ぼんやりと「ただ、生きていく」ことが 怖くて嫌だった。
ぼんやりと生きて、十年後、二十年後に 突然やりたいことが出来て、 取り返しのつかない事になるのも嫌だったし、 何よりもその「ぼんやり」が一番苦痛だった。 「生きるために生きていく」のが嫌だった。
太宰の言葉で言えば、 「飯を食うために生きる」のが嫌だった。
それから今まで、結局は ぼんやりと生きてきたことになる。 このまま一生、「ぼんやり」と生きていくことに なるのかと思うとゾッとする。
2003年07月01日(火)
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