妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
目次前のページ次のページ


2008年06月23日(月) 『吹雪の山荘 赤い死の影の下に』(小)

【笠井潔・岩崎正吾・北村薫・若竹七海・法月綸太郎・巽昌章 東京創元社】

リレー小説なるものを初めて読みました。
執筆者に好きな作家がいないせいか、すげーつまらなくてどうしようかと思った。
無秩序で、方向性の見えない推理小説ほどつまらないものはないな。
何が起ころうが、何が明らかにされようが、次の執筆者の胸先三寸でそれが覆るという徒労。

まとまりのなさを避けるために、一応ルールはあったらしいのですが、もっと厳密なルールが必要な気がしました。
毎回、殺人事件の謎とは別に謎を一つ提示して、それを解決しなければならないというルールはいいと思うのですが、みんなその謎の提示と解決にばかり気を取られて、肝心の本筋である殺人が一向に推理されないという苛立ち。
そして、各作家の探偵、助手キャラが登場しているため、結局誰が推理の主導権を握るのかわからないという、落ち着かなさ。
まさに、船頭多くして〜というやつです。

どうして読んだのかというと、執筆者に有栖川有栖がいないのに、なぜアリスが出てるのかが気になったからなのですが、単純に有栖川有栖が執筆を降りただけなんですね。
別の面子でリレー小説をやっていたような気がしますが。
と思って調べたのだけど、やってなかったみたい。

先頭を切るのが笠井潔。
今回の面子でちゃんと読んだことがあるのが、法月綸太郎だけだったりする。
新本格はけっこう読んでるような気がしたのだけれど・・・。
そんなわけで、矢吹駆は知ってるけど、どんなキャラかまでは知らないし、ましてやナディア・モガールなんて全く知らない。
この辺から、リレー小説の醍醐味を味わえない、場違いな読者です・・・。
事件が発生、女装させられた首無し死体というわりと妥当なスタート。

続いて岩崎正吾。
この人にいたっては名前すら知らない。
やや悪ふざけが過ぎるんではないのか。
死体の下着までチェックしちゃったら、次の人から困るだろうに・・・という弾けっぷり。
なんだよ、アリスと綸太郎くんができてるって妄想は。
そして幽霊の解決も、それは無理じゃね・・・?

そんなはじけたバトンを渡された北村薫。
なんで北村薫読んだことないかな、私。
無理じゃないの、と思ったら北村薫もそう思ったらしく、別の解放が提示。
やっぱり凧は無茶だよね・・・。
テロリストの話しが出てきて、ややうんざり。矢吹シリーズ知らんのだよ。

続いて若竹七海。
若竹七海はアンソロジーでは何本か読んだことはあるんだけど。
女性キャラがわざとらしくに苦手なのね。

久しぶりに法月綸太郎。
やはり薀蓄が多くてイラ。

ラストは有栖川有栖に変わって、抜擢された巽昌章。
解説でおなじみって気がするのですが。
評論家だけあって、一番各キャラを把握して見せ場をつくってまとめたな、という感じがしました。

みんなもっと他人のキャラをいじりたおせばよかったのに。
なんだい、遠慮があるのか?
京極夏彦とか上手そう。他人のキャラいじるの。

どうせなら、舞城、西尾、麻耶、殊能、で合間に有栖川有栖を入れて困らせて(え)、ラストに清涼院流水が〆るというようなリレー小説が読みたい。
ラストにJDC出てくればなんでもどうにでもなるだろう。



蒼子 |MAILHomePage

My追加