妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2007年03月07日(水) |
『ラスト・イニング』(小) |
【あさのあつこ 角川書店】
『バッテリー』のその後を扱った短編が二編です。 その後は読みたいような読みたくないような複雑な気分でしたが、彼らはまだ成長しているのだなぁと感慨深いものがありました。
「マウンドへと」
あの最後の試合の直前の様子です。 みんな好きじゃ。
「白球の彼方」
高校生になった瑞垣の視点の話です。 最終巻を読んだ時にも思ったように記憶しているのですが、瑞垣を見ていると可哀相でならない。 一人大人になってしまったゆえに、ストレートに悩むこともできず、大胆にもなれず、相談することもできず。 大人になろうとしてそうなったわけではなく、元から彼はそういう性質だったのだろうと思う。 多分、大人はそんな瑞垣を見て大人びた子だと思い心配などしないのだろうし、同年代の周りの人間はやっぱり心配なんてしないで頼ってしまう。 瑞垣に必要なのは大人が彼を子ども扱いすることだと思う。 子どもなんだと思い知らせてやることも必要なんじゃないかと思うのだけれど、残念ながらあさの作品には共通してそういう確固とした大人がいない。 最後に監督が瑞垣に今までとは違う野球との関わりを示すけれど、いささか唐突な感もあった。
瑞垣はそれで野球との関わりに関しては解決できるかもしれないけれど、まだまだ門脇との関係については解決していない。 きっとこれからまだまだ、苦悩の日々なのだろうなぁ。 瑞垣は誰かがじゃなくて、自分が門脇に勝ちたいと思えればいいのに。 そうは思えないんだろうなぁ。難儀。
そしてラストの巧が可愛い。 豪には笑っててほしいなぁ。この二人もまだまだ難儀な道を歩いているようで。
香夏ちゃんとの兄妹関係がなかなか可愛かったです。
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