妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2006年12月18日(月) |
『蜘蛛女のキス』(小) |
【マヌエル・プイグ 訳:野谷文昭 集英社文庫】
桑原水菜の『赤の神紋』で、蛍と奥田が演じてたものです。 読みながら、たまに脳内で蛍と奥田に変換されてました。そして、つくづく見たい〜と思いました。
それはともかくとして、思いのほか面白かったです。 監房の中のテロリストとホモってどんだけ濃い設定なんだよ、とさすがに引き気味にもなる粗筋ですが、読んだら切ないんですよねぇ。 小説なのですが、シナリオ形式に近いので、モノローグや描写がない分、あっさりしていて読みやすい。 また、モリーナの語る映画の話が素敵なんです。
バレンティンとモリーナは結ばれますけれど、それは愛情からというわけではない。 モリーナはバレンティンを愛していたかもしれないけれど、バレンティンはせいぜいが親愛なんだろうと思う。 多分、お互いその感情の齟齬には気がついていて、それでもモリーナに仲間との連絡を頼むバレンティンって、酷い奴めと思ったりする。 バレンティンは、モリーナが自分達の世界に入るのは良いことだと信じているから頼んだのだろうけれど。 結局の所、監房の暗闇の中で、お互いにお互いの世界を覘き見たのだけれど、どちらも相手の世界には馴染むことができなかった、という点がなんとも物悲しい。
モリーナ、可憐過ぎるよ・・・。切ない。 中年のホモだけど。それがなんだ。
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