妄言読書日記
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2006年01月29日(日) 『死のサハラを脱出せよ 上』(小)

【クライブ・カッスラー 訳:中山善之 新潮文庫】

昨年公開の映画『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』の原作本にして、ダーク・ピットシリーズ11作目。

上巻を読むだけで、大分映画と違うことがわかります。
映画よりもスケールが大きく、もう少しプロットも入り組んでいる様子。
映画の脚本はかなり大胆に削りつつ、作りつつしたんだなぁと改めて、映画の脚本に感心してしまう。

大西洋での急速な赤潮発生の原因を探るべくニジェール川を上るダーク一行(と言ってもアルとルディだけ)と、原因不明の疫病を調査するWHOのメンバー、その双方を邪魔するマリで独裁を振るうカジム。
この辺りを中心に話しは進んでいます。

映画ではいかにも学者肌で、戦闘では心もとないルディでしたが、原作ではなかなかのタフガイぶりを発揮して、ダーク、アルコンビに引けを取らない善戦ぶりを発揮。
映画版の頑張るルディが結構好きだったのですが、こちらも好きです。
サンデッカー提督は、映画では二人に振り回され気味の苦労人に見えましたが、なかなかどうして、食えない短気なおっさんです。
むしろ、二人が振り回されてるんじゃないか、というくらい。
NUMAのみなさん、かっこいいです。

上巻では、逃亡しつつ汚染源を探るダークとアルが砂漠に乗り込んでいくあたりまで。
砂漠では意外な人と出会ったり。

いやしかし、やっぱりアルが大好きなのです。
ダークとアルがとっ捕まって、クルージングの中に脱水寸前になりつつ閉じ込められている時に、一言二言、恨み言をいってもいいようなものなのに、軽口叩くというのは、本当にダークに対して全幅の信頼を寄せているんだなぁと。
信頼という言葉じゃまだ甘い気もします。

ところで、中山氏の訳が時々おもしろいです。
ダークがたまにおっさんくさいセリフを言ったり、妙に若々しかったり。
思わず笑ったのが、
カリオペ号で、奇襲をかけるときに、ダークが言ったセリフ(P187)

「みんな、いよいよ出番だ。やっつけちゃおうぜ!」


やっつけちゃおうぜ?
可愛いじゃなか、ダーク。40のおっさんだとはとても思えんよ。



蒼子 |MAILHomePage

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