妄言読書日記
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※ネタバレしています
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| 2004年08月13日(金) |
『マークスの山』(映) |
【監督:崔洋一 1995年 日本】
言わずと知れた高村薫原作の映画化。ビデオ屋で発見したので観てみました。 なんでR指定なんだろう・・・と思いつつ。 高村といえばストイックな文面のイメージがあるので、どうもR指定というものと縁が無いような気がして。 観てみたら、別に中学生観たっていいじゃん、と思いましたけど。私基準だからですか。
原作は原作、映画は映画だと思っているのでことさら、違うよ!と言う気はありません。 気になる合田雄一郎役は中井貴一。びみょー・・・と思ってしまうのも、どうもミキプルーンやらカッパとタヌキのイメージが強いからでしょう。 合田さんはキャラがふてぶてしく傲慢という方向になっていました。 うん、まあ、そういう側面もあるけどな。 どっちかと言うと、悪役っぽい合田雄一郎。 けれど、他の七係の人はかなりなるほど!という配役でした。 肥後の古尾谷雅人はかなり、いい。それそれ、という感じでした。 刑事役の定番のお方ですが改めて、亡くなった事が惜しい。 ペコさんは小木茂光。この方はもう、ああ、なるほど!!と非常に納得。 ただ、玉虫色のコートじゃなかったけどね。 森は十姉妹と合わせたようなキャラになっとりました。 又さんは異論もありそうですが、そういう方向もありかな、という感じです。
この映画の主役は水沢でしょうね。 水沢は萩原聖人。この人は人畜無害な顔して、こういう壊れ役やらせるとぴたりとはまる。 単行本の水沢なのでそれほど壊れていないような印象です。文庫になると壊れ方が激しくなるのです。 原作を知らないと、よく理解できないことだらけ、のような気がしました。 真知子と水沢はよかったです。
やはりマークスの山と言えば、ラストの登山。 このシーンはやはり映像で観ると迫力があって、この映画一番の見所です。 (あとは私としては最初の死体発見現場のシーンが好き) じんわりします。
この映画、今では考えられない人がちょい役で出ていてびっくりします。 須崎(萩原流行なのは意外な配役)を刺した大杉蓮とか、鉄砲玉の岸谷吾郎、どこにいたのかわからない井筒監督・・・。
ところで、私は合田さんが下着一枚でスニーカーを洗うシーンがあれば、もう文句なしだと思っていたのですが、本当にありました。 スエットにシャツ(ランニングじゃなくてよかった。心底)姿で、合田さんはパジャマ派なのにな・・・とちょっと不満。 に、思っていたら! ラストシーン、山頂で水沢を発見するあの感動のラストの後のシーンが!! パンツ一枚でスニーカーを洗う合田さん でした!! なんでだー!!!なんでこんなとこにいれるんだーーーっ!!!! 水沢発見で終われや!!! (単行本版は加納兄さんとの電話で終わる。文庫版は発見で終わる)
全てをぶち壊しました。 崔監督のセンスがわからんよ・・・ そしてやたらと「刑事は楽しい商売」を繰り返す合田さん。そりゃ言ってましたけどね・・・。いやいいよ、もう。
それはそれとして、BGMがいまいちで、盛り上がりにかけるような印象です。 映画としてはおもろいのかなぁ。邦画はどうも苦手であります。 私はもっと警察映画っぽくなっててほしかった。刑事が大勢で殺伐とした空気を出してね。 黒澤監督の『天国と地獄』を観た方がよいかもしれません。観た事無いんですけど。
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