日本人らしく(?)桜が好きな平野です、こんばんは。 桜関連で色々と妄想も膨らんだわけですが、それを形にする時間がなくて、しょんぼりです。 平日は、もうパソコンを起動するのも面倒くさい・・・ とりあえず、桜も散りかけた今日この頃ですが、超久しぶりにSSでも。 時期がずれまくっても、他のも何個か形にできたら良いなぁ。
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「おー、見事な咲きっぷりですねぇ」 「そんでもって人も、ぶん殴りたくなるほど溢れてるな」 「せっかくの花見なんですから、下じゃなくて上見ましょうよ、津山さん」 「酒もつまみもない状態で、花見と言えるかコンチクショウ」
時間は夜9時。4月に入ってからずっと続いている仕事は、今日も見事に終電コースだ。 休憩もかねて、同じチームで激務にあたっている塚原と夕飯を食べに出たのが、今から30分ほど前。 「ちょっと寄り道していきませんか?」という塚原の言葉に従って、遠回りになるが桜並木の下を通ることにして、今に至る。
「去年も結局、ゆっくり花見できなかったんだよなぁ」 「ちょうど缶詰状態でしたもんね。それ考えたら、今年はまだマシじゃないですか」 「マシねぇ。まあ一応、桜は見れてるけどな、俺としてはそれを肴に飲みたいわけよ」 「確かに。でも、俺としてはこうして津山さんと一緒に夜桜の下を歩けるだけで幸せですけどね」 「・・・・・・相変わらず、さらっとお前は言うよな」 「だって、事実ですから。まあ、できれば津山さんが言うように、もっと人が少ないところの方が嬉しいですけど」
確かにここはもう酔っ払いだらけで、夜桜の情緒なんてものは感じられない。 でも、塚原が言っているのは、そういうことじゃない気もするわけで。 今の気持ちからすると、この喧騒がちょっと有難い。
「・・・休憩、終わり。帰って仕事するぞ」 「はい。あ、津山さん」 「ん?」 「落ち着いたら、ゆっくり二人で飲みましょうね」
いっそ無邪気なまでに、笑いながら言ってくる。 頼むから、この直球バカをどうにかしてくれ。 少し頬が火照っている気がするのは、きっと花見客の熱気にやられてるせいだと思いながら、津山はくらりとする頭をどうにか保って、会社へ戻る道へと足を進めたのだった。
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