こんな日常。

2008年03月18日(火) SS 春休みの朝

「ほらもう、目こすっちゃダメでしょ?」とお母さんが子どもに言い聞かせるみたいに会社の先輩たち(複数)に言われまくった平野です。こんばんは。
あまりの痒さに、目薬をドライアイ用から花粉アレルギー用に変えてみました。
「遅くない?」と苦笑されました。・・・ごもっとも。

花粉でいやんなことになっていますが、明日は有給がとれたので1泊2日で尾道・広島へと旅立ってきます。
宿は親戚の家ですが、道中は見事ひとり旅。今からちょっと寂しいです。
そして花粉にやられないことをひたすら祈る・・・っ!!

あ、週末も予定が入ってますので、更新再開は来週以降になります。


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高校が春休みに入っても、サラリーマンはいつも通り仕事がある。
それは当然のことなんだけど、残される身としては寂しくて仕方ない。

「おはよー」
「おはよう。もう起きたのか?」
すでにスーツに着替えている恭平が、少し驚いたように時計を見る。
「休みの間くらい、寝坊しても良いんだぞ。学生の特権だ」
「ん・・・でも、恭ちゃんを見送りたいから」
本当はもっと早くに起きたかったのだが、身体は勝手に休みの日モードに切り替わっているらしく、こんなギリギリの時間になってしまった。
いつもは拓弥も学校の準備でバタバタしていて、ゆっくり見送ることが出来ない。
だから、休みに入ったら毎朝存分に見送ろうと決めていたのだ。
結局パジャマのままという、情けない感じではあるが。
「そうか。じゃあ玄関までついてきてもらおうかな」
気持ちが伝わったのか、恭平も嬉しそうに笑って拓弥の頭を撫でる。
そうして並んで向かった玄関先で、「いってきます」とともに軽いキスを落とされて、何だか新婚みたいだと一人で思って一人で照れる。

「あ、そうだ」
ふいに思い付いて、慌てて反対側にあるベランダへ向かう。
少しの間を置いて、恭平の姿が見えた。
気がついてくれるかな?
想いが通じたのか、上を見上げた恭平と目があった。
嬉しくて手を振れば、小さくではあるがちゃんと返ってくる。

「・・・いってらっしゃい」

見送るのは残されるようで好きではないのだけれど、今は妙な満足感でいっぱいだ。
必ず帰ってきてくれるという確信があるからかもしれない。


拓弥の企みは、思いのほか成功。
結局、春休みが終わるまでの習慣となったのだった。

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朝、駅へ向かう道でベランダから見送っている姿を見かけるんです。
新婚かなぁと思ってはいたんですが、かれこれ1年は続いている気がする。
どこまで続くのか、気になってます(笑)<いらん好奇心


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平野 咲 [MAIL]