こんな日常。

2007年12月02日(日) SS ぬくもり

オムライスを食べていたら、思いっきり舌までかじった平野です。こんばんは。
見事にガリっと噛みまして、今もちょっとヒリヒリしてます。
痛かったんだよ?と家族に話してみたところ、心配されるよりも先に「どうしたらそんなとこ噛めるの?」と不思議がられた次第です。
そんなん、こっちが訊きたいよ!!

話変わって。
もう12月なんだから当たり前なんですが、大分寒くなってきましたね。
朝起きるときと、会社の行き帰りの道が辛いです。でも電車の中は暑い。服に困る。嫌な三段活用(違)
寒い寒い言いながら、妄想したのが↓の話。


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だって、寒くて寒くて、仕方なかったんだ。


「恭ちゃん!」
「おわっ、と、拓弥?」
公園のブランコに座って待ち続け、ようやく見つけた途端に走り寄って勢いよく抱きついた。
恭ちゃんは驚いた声をあげる。よし、作戦成功。
「何やってんだ、こんなところで」
「恭ちゃん待ってたの」
「待ってたって、このクソ寒いのに外でか?子どもは風の子ったって限度があんだろ」
「あ、誠一さんもいたー」
誠一さんに会うのは久しぶりだったから嬉しくてちゃんと挨拶したのに、誠一さんは呆れた顔をしてる。
恭ちゃんを見れば、なんか心配顔。僕のほっぺたを両手で抱え込むようにしたと思ったら、今度は顔をしかめてる。
何か僕、変なことしたかな?
「あーあ、こんなに冷えて。いつからここにいたんだ?」
「んっと、学校終わって一度家帰って、それからすぐ」
「小学低学年って、確か終わるの早いよな」
「いいか拓弥。冬は寒いし暗くなるのも早いから、公園に一人でいちゃ危ないだろ」
「でも、家にいるよりあったかいよ?」
暖房を入れても、ガランとした部屋は寂しいし何だか寒い。
去年まではそれが当たり前で、別に寒くもなんともなかったけど、恭ちゃんに会ってからは我慢できなくなった。
恭ちゃんが学校から帰ってくるときは絶対に公園の前を通るからここを選んだし、待ってる間は全然寒くなんかなかったのに。
「はー・・・恭平もすごいなつかれたもんだな。って道端で抱きつくな、恥ずかしい」
「いや、なんかもー可愛くて」
恭ちゃんに痛いくらいギュッとされて、誠一さんには頭をポンポンと叩かれる。
―――・・・やっぱり、あったかいな。
恭ちゃんとくっついてるところから、じわじわと身体中があったかくなっていく。
嬉しくて仕方なかったから、誠一さんが呆れた声を出すのも無視して思いっきり恭ちゃんに抱きついた。

また明日も待ってて良い?と訊いたら、すごい勢いで止められた。
今度からは直接恭ちゃんの家に行って待つようにって。
恭ちゃんに会えるなら、どこでも構わないよ。だって、恭ちゃんの側が一番あったかいから。

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二人が出会って約半年後、はじめての冬。
ちび拓弥と中坊な二人を書くのが楽しくて仕方ありません(笑)
お互いチビの頃から、盲目的ですね。


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平野 咲 [MAIL]